ポリウレタン
概要
ポリウレタンとは、石油・石炭・天然ガスなどを原料とした化学繊維・合成繊維です。
ポリエステルまたはポリエーテルを作り、ジイソシアネートを加えてポリマー化。それを湿式紡糸または乾式紡糸してポリウレタン繊維を作ります。
伸縮性が高すぎるために、ポリウレタン100%として使うことは少ないです。ほとんどは他の繊維に5〜30%ほど複合して使用されます。
たとえばポリウレタンの芯にナイロンなどを巻き付けた「カバードヤーン」は、程よい伸縮性で体にフィットします。圧迫感も少ないため、ストッキングや補正下着などに使われます。
ポリウレタンの特徴
ポリウレタンの伸縮性は5〜8倍ととても高く、まるでゴムのような伸縮性・弾力性を持ち、とても丈夫です。
染色性も高く鮮やかな色に染められるだけでなく、水にも強いため水着やスポーツウェアなどにピッタリ。カビ、虫食い、薬品などにも強いです。
しかし日光に弱く、長時間日に当たることでポリマーが分解され、性能が落ちてしまう点に注意しましょう。
ポリウレタンは軽くてしわになりにくいことも特徴。衣類から工業用まで幅広く活用できますが、実は寿命が2〜3年ほどしかない素材でもあります。経年劣化は防げませんが、きちんとお手入れすることで多少長持ちさせることは可能です。
ポリウレタンのメリット
- ゴムのような伸縮性・弾力性を持つ
- 染色性が高く鮮やかに発色する
- 耐久性・強度が高い
- 他の繊維よりも軽い
- しわになりにくい
- カビ、虫食い、薬品に強く保存しやすい
- 幅広いアイテムに活用しやすい
ポリウレタンのデメリット
- 日光に長時間当たると性能が落ちる
- 2〜3年ほどで経年劣化する
その他
- 1959年に、アメリカのデュポン社で生産が始まりました。水着やレオタードなどに使用される「スパンデックス」の名称として広まっています。
- ポリウレタンは生地としてだけでなく、さまざまなものに変化させることができます。たとえば発泡剤を加えるとスポンジ状になるため、防音材や断熱材にしたり、接着剤や塗料などにも使われたりと、日常生活の中であちこちに隠れている素材です。
- 強度の高いポリウレタンですが、致命的な欠点は経年劣化です。使っていなくても勝手に劣化は進み、ポロポロと表面が剥がれ落ちます。少しでも長持ちさせるためには、ドライコースで洗い脱水は最小限に、濡れたらタオルで拭き取るなど、お手入れをしましょう。