デニムの加工
概要
デニムとは、斜文織りの厚手の生地。主にパンツ(ジーンズ)に使われます。デニムのたて糸はロープ染色のため、表面は藍色、中心は白い状態です。そのため、使い続けたりダメージを与えたりすることで糸の中心が露出して白っぽくなります。
そんな性質を活かし、デニムにはさまざまな加工が施されます。 デニムの加工 で最も多いのが「ダメージ加工」と呼ばれる、ユーズド感を持たせる加工です。
ちなみに加工や洗いをされていないデニムは「リジッドデニム」「生デニム」と呼ばれ、自分で加工をしたい人、経年劣化を楽しみたい人に人気です。
デニムの加工の特徴
デニムに加工を施すことで、見た目や風合いが大きく変化します。加工の種類にもよりますが、長年使い込んだような“ユーズド感”あふれるデニムになるのです。また加工で作るヴィンテージ風のデニムも人気。
デニムといえばカジュアルファッションの定番ですが、さまざまな表情のデニムがあることで、ファッションの幅が広がると言えますね。
工場で加工したものが店頭に並びますが、自分の手でダメージデニムを作ることもできます。好きなように加工でき、愛着が湧きやすいのもDIYの楽しさです。
機能面で言えば、デニムを洗うことで糊が落ち、やわらかくなることもメリット。着心地が良くなりますよ。
一方で、デニムに加工をすることでデニムの耐久性が落ちてしまうデメリットも。ある意味では“出来上がった”デニムなので、生デニムのように経年劣化もあまり楽しめません。
また穴を大きく開けすぎた、色が落ちすぎた、色がまばらになってしまったなど、加工が失敗することもあります。初心者がDIYする場合は、様子を見ながら少しずつ加工しましょう。
デニムの加工のメリット
- ユーズド感がある
- ヴィンテージ風を演出できる
- 同じデニムでも違う表情にできる
- 洗うことでやわらかくなる
- ファッションの幅が広がる
- 手作り(DIY)の楽しさも
デニムの加工のデメリット
- デニムの耐久性が落ちる
- あまり経年劣化を楽しめない
- 加工が失敗することもある
デニムの加工の種類
代表的な加工方法は「ウォッシュ加工」。洗いをかけることで生地がやわらかく・履きやすくなり、こなれた感じが出ます。さらにウォッシュ加工にもいくつかの種類があります。
ワン・ウォッシュ | 一度洗い。加工しすぎず、ナチュラルな風合いが出る。 |
バイオ・ウォッシュ | ホリゾンタル・ストライプ |
ストーン・ウォッシュ | 軽石や研磨剤と一緒に洗う。ムラのある色落ち。 |
ケミカル・ウォッシュ | 薬品や研磨剤と一緒に洗う。霜降り状に色落ち。1980年代に大流行した。 |
また「クラッシュ加工」も人気です。研磨機で生地を擦利、手作業で糸をカットしてももやひざの部分に穴を開けたり、ほつれを作ります。よこ糸だけを残してたて糸をカットするのは、手作業でしかできません。
その他、 デニムの加工 にはさまざまな種類があります。
アタリ加工 | 凹凸のある台に乗せてサンドペーパーで擦る。使い込むうちにできたシワや縫い代部分の擦れを人工的に作れる。 |
ヒゲ加工 | ももの付け根から外側に向けて、放射状にヒゲの形のようなシワを作る加工。 |
シェービング加工 | 太ももやひざ、おしりの部分に色落ちを作る。デニムの加工の中で最も難しい。 |
ブラスト加工 | 砂を高速で吹き付けて表面を削る。太ももなどに施され、長年使い込んだような色落ちに。 |
オーバーダイ | クラッシュ加工などで露出した白糸部分を茶色などに染色し、汚れた感じに仕上げる加工。 |
その他
- お店で見かけるデニムにはユーズド感あふれるものが多いですが、元々デニムはしっかりと斜文織りされているため、表面はきれいに整った状態です。そこへ加工を施すことで、その見た目や風合いが変化します。すると、お店で見かけるようなラフ感のあるデニムになるのです。
- さまざまな加工法によって長年使い込まれたような見た目のデニムは「クラッシュデニム」や「ダメージデニム」と呼ばれます。ファッションとしての人気が高いです。