オパール加工
概要
オパール加工 とは、特定の繊維を溶かす薬品(硫酸など)を生地に捺染して、その部分を溶かして薄くし、レース状の透かし模様を作る加工方法のこと。
2種類の繊維を使っている生地に対して有効で、片方の繊維を溶かすことでもう一方の繊維が残るため、透かし模様が出来上がります。また溶かす薬品の中に染料を入れることも可能で、透かし模様を作るのと同時に染色もできます。
使用される繊維は綿とポリエステル、ポリエステルとレーヨン、他ナイロンやリネンなど、2〜3種類以上の混紡織物、または交織織物です。
オパール加工の特徴
オパール加工は大前提として、2種類以上の繊維が使われている生地にしか加工できず、生地もオパール加工を施すことを前提に作られている必要があります。
しかし、オパール加工ならさまざまな透かし模様を作れることが最大の魅力。これまでプリントやジャカード、刺繍だけでは表現できなかった、まるでトレーシングペーパーを重ね合わせたような透かしデザインが作れますよ。
織りや編みで生地に透け感を出すのは難しいため、オパール加工は簡単に透け感を出せる方法として重宝されています。
いわば柄と柄が重ね合わさったような透かし模様ならにぎやかな雰囲気になり、落ち着いた雰囲気や可愛らしく上品な雰囲気など、デザインはアイディア次第。
仕上がった生地は薄く軽くなり、衣類や小物はもちろん、レースカーテンやカバーなどのインテリアなどにも幅広く活用できます。
材料を揃えれば、家庭でもオパール加工に挑戦可能。しかし使用する薬品は硫酸などの危険な薬品であるため、加工の際は最大限の注意が必要です。
また溶かした部分は薄くなった分強度が落ち、破れやほつれが起きやすいため、洗濯の際は弱洗いにする、洗濯ネットに入れるなどの対策をしましょう。
オパール加工のメリット
- 簡単に透かし模様を作れる
- アイディア次第でさまざまなデザインになる
- 生地が薄く、軽くなる
- ジャンルを問わず幅広いアイテムに活用可能
- 材料があれば家庭でもオパール加工ができる
オパール加工のデメリット
- 2種類以上の繊維が使われている必要がある
- 溶かす薬品は危険なため、加工の際には注意が必要
- 溶けた部分(透けている部分)は強度が落ちる
その他
- オパール加工は「抜蝕加工(ばっしょく加工)」、「ケミカルプリント」とも呼ばれます。「ケミカルプリント」という名前なら聞いたことがあるのではないでしょうか。
- 絹とレーヨンで織られたジョーゼット生地にオパール加工を施したものを「オパールジョーゼット」といいます。細かいシボのあるジョーゼット生地に半透明の模様が浮いて、とても美しいです。