消臭抗菌加工
概要
消臭抗菌加工とは、繊維についた汚れや汗による細菌の増殖、カビ、イヤな臭いなどを抑える加工法のこと。
消臭抗菌加工にはさまざまな加工法がありますが、大体は臭いの元となる細菌(黄色ブドウ球菌)を分解したり滅菌したりすることで、汚れや臭いを減少させます。
「バイオシル加工」は抗微生物処理剤を繊維に施し、微生物の繁殖を抑える加工。靴下など特に汚れや臭いが残りやすい製品に用いられます。
また光を当てて活性酸素の働きで臭いの元となる有機物を分解したり、滅菌したりする「光触媒」のハイテク技術を活用したものもあります。
消臭抗菌加工の特徴
消臭抗菌加工を施すことで、繊維や生地が臭いにくくなります。たとえばスポーツウェアや下着、靴下など、汗を吸いやすく長時間着用するような製品は臭いが発生しやすいため、消臭抗菌加工で臭いを抑えるのです。
また「抗菌」とあるように、細菌の増殖や活動を抑える役割もあります。どうしても汚れたり汗が付着したりしやすい生地は細菌の住処となって不衛生ですし、カビやすくもなります。それらを防いで、いつでも清潔な状態で洋服を着られるのです。
ただ、製品が「まったく臭わなくなる」わけではありません。あくまで「臭いを抑える」程度で、使い続けたり長時間放置したりすることで臭いは残りやすくなります。
「抗菌」自体がどの細菌に対して効果的であるかも把握しておく必要があります。臭いの元となる黄色ブドウ球菌なのか、それともウイルス類なのかで効果も用途も異なるからです。
消臭抗菌加工のメリット
- 生地・製品の臭いの元を抑え、イヤな臭いが発生しにくくなる
- 細菌の増殖や活動を抑え、清潔な状態を保てる
- 細菌によるカビを防ぐ
消臭抗菌加工のデメリット
- 臭いや細菌の増殖を100%抑えられるものではない
- どの細菌に対して効果があるのかを把握し、用途ごとに選ぶ必要がある
その他
- 似たものに「抗菌防臭加工」や「制菌加工」などがあります。「抗菌防臭」とは臭いの原因である細菌の増殖を抑え、臭いを防ぐこと。「制菌」とは臭いの元となる細菌に加え、肺炎かん菌、緑膿菌、大腸菌、モラクセラ菌といったさまざまな菌の増殖を抑え、活動を低下させることです。
- 「抗菌」や「制菌」などは菌の増殖や働きを低下させるもの、細菌よく聞く「除菌」「殺菌」「滅菌」積極的に菌そのもの取り除くことで、意味合いも用途も異なるので注意しましょう。