市松文様
概要
市松文様とは、2色(ほとんどの場合は白と黒)の正方形を交互に並べた格子柄。いわば「チェック」と呼ばれる柄の1つです。
市松文様はその柄が途切れることなくどこまでも展開していく様子から「繁栄」という意味があります。「子孫繁栄」や「事業拡大」といった意味があり、縁起の良い柄として好まれて使われていました。
もともとは石を敷き詰めた形に似ていることから「石畳文」や「霰(あられ)」と呼ばれていましたが、江戸時代中期、歌舞伎役者の「佐野川市松」がこの柄の文様を着たことから、当時の女性たちの間で人気に。それをきっかけに、現代まで「市松文様」と呼ばれるようになりました。
市松文様の特徴
市松文様は昔からありましたが、某大ヒットアニメで一躍有名に。緑と黒の市松文様の羽織を着た「鬼滅の刃」の主人公・竈門炭治郎をきっかけに、子供から大人まで世代問わずよく知られた柄となりました。
チェック柄の1つでもあるためか、市松文様は現代でも馴染みやすい和柄です。和モダンな雰囲気が魅力ですね。浴衣や袴、羽織など和風な装いの他、シャツやパンツ、インテリアまで、幅広く取り入れやすいです。
日本人なら海外のチェック柄と日本の市松文様を見比べたとき、似ていたとしても無意識に「洋風」と「和風」を嗅ぎ分けられることでしょう。市松文様はそれほど日本で親しまれてきた、100年以上の伝統ある柄だということです。
市松文様は2色の強いコントラストが特徴なので、場合によっては目立ちすぎてしまったり、細かい四角形のため目がチカチカして見えたりすることもあります。市松文様を取り入れるなら他をシンプルにするなどの工夫が必要がありそうです。
市松文様のメリット
- 日本の伝統柄
- 「繁栄」という縁起の良い意味がある
- 古典的だけど和モダンな雰囲気もある
- 現代社会でも馴染みやすい
- 子供から大人まで取り入れやすい
- さまざまなアイテムに幅広く使える
市松文様のデメリット
- 使い方によっては目立ちすぎることがある
- 目がチカチカすることがある
その他
- 海外にも市松文様と似たような模様があります。チェス盤の模様に似ていることから、英語では「チェッカーボードチェック」、フランス語では「ダミエ」と呼ばれます。
- 市松文様は2020オリンピックのエンブレムにも採用されました。ただ、正方形が並んだ通常の市松文様とは異なり、3種類の形の違う四角形が組み合わさった模様で、多くの国や文化が関わり合い広がっていく「多様性」という意味が込められています。