ペイズリー柄
概要
ペイズリー柄とは、松かさや菩提樹(ぼだいじゅ)の葉、ヤシの葉、糸杉、花などさまざまな植物をモチーフに抽象化した柄です。中にはゾウリムシをモチーフにしたという説も。
インドのカシミール地方で生まれた伝統柄です。モチーフの複雑さ、色使い、柄の大小、配置などの仕方によって印象が大きく変わります。
たとえば同系色にまとめて落ち着いた柄もあれば、ビビットでカラフルな色を使ってポップな印象の柄まで、種類が豊富です。
元々はシンプルな柄でしたが、ヨーロッパで人気だったため、より華美で西洋風の柄が生まれたという背景があります。
ペイズリー柄の特徴
ペイズリー柄はとても華やかでエレガント、そしてエスニックな雰囲気が漂うのが特徴です。
一見するとそれが植物をモチーフにしているとはわからないほど、かなり抽象化されています。しかしあえて抽象度を高くすることで、先入観を持つことなくデザインそのものの芸術性を楽しめることもペイズリー柄の魅力の1つだと言えるでしょう。
特に女性向けの衣類や洋服の柄として人気で、シンプルなコーディネートにアクセントを加えてくれる役目も。もちろん男性が身に付けても、高級感がありハイセンスに。
そのファッショナブルで印象的なデザインから、バンダナやネクタイ、ショールなどの布地から、ピアスやネックレスなどのアクセサリーにも使われます。
実は、ペイズリー柄の優美な曲線や柄の繰り返しは人に安らぎを与えるという心理的な効果も。
シンプルな柄ではないため、華やかに見せたいときには大活躍しますが、柄によっては派手すぎると印象を与えやすい点に注意し、上手く取り入れるようにしましょう。
ペイズリー柄のメリット
- エレガントさとエスニックさを併せ持つ
- 芸術性の高いデザイン
- 華やかで印象に残りやすい
- 女性向けの衣類から男性向けの小物まで使える
- ハイセンスに見せられる
- 優美な曲線や柄の繰り返しが安心感を与える
ペイズリー柄のデメリット
- 派手になりすぎることがある
- 他の柄との組み合わせに注意
その他
- ペルシャで誕生した「花鳥文」という柄がインド・イスラム圏に渡り、抽象化されてペイズリー柄になりました。植物模様には宗教的な意味や象徴性があるわけではなく、単純に装飾として用いられています。
- ペイズリー柄の発祥はインドのカシミール地方ですが、「ペイズリー(Paisley)」は実はスコットランドのグラスゴーにある都市の名前です。19世紀頃、ペイズリー柄のカシミヤショール人気になりましたが生産が追いつかなかったため、模造品を作って広まったことから「ペイズリー柄」と呼ばれるようになりました。
- 別の呼び名には、カシミール地方発祥なので「カシミール(Kashmir)」や、日本では勾玉の形に似ているので「勾玉模様」という名称も。