ジャカード柄
概要
ジャカード柄 とは、ジャカード織機やジャカード編機で作った柄の総称。織柄・編柄どちらもありますが、どちらも何らかのモチーフを持っている具象柄です。
特定の柄のことを指すというよりも、ジャカード織機・ジャカード編機で作られるあらゆる柄すべてを指すと覚えておくと良いでしょう。
ジャカード織機・編機では、穴を開けたパンチ・カードを作って織ることで、模様を表現できます。
この技法は後に登場するコンピューターの原理と同じで、現在は図柄をコンピューターで描き、織機・編機と連動させるコンピューター・ジャカードの技法が使われるようになりました。
ジャカード柄の特徴
ジャカード織機・編機の登場により、テキスタイル界は大きな進歩を遂げました。
幾何学的な模様から、シンプルな模様、絵画のような写実的な模様までさまざまな模様を作ることが可能。それにより、テキスタイル・デザインの幅が広がったのです。
ジャカード織機のおかげで手間のかかっていた紋織物の生産スピードが向上し、今では欠かせない存在となっています。
またこの織機・編機で作られた生地はとても丈夫になり、色落ちもほとんどありません。厚みが出て、立体的な仕上がりになります。
どの柄も上品で高級感があり、アウターやワンピースなどのおしゃれ着から、カーペットや和服地などに使われることも多いです。
ただし、ギュッと織り込むことで硬い生地になりやすく、通気性もあまり高くありません。色柄が複雑なものほどコストもかかりやすく、高価になる点にも注意しましょう。
ジャカード柄のメリット
- さまざまな模様やデザインを作ることができる
- テキスタイルデザインの幅を広げられる
- 紋織物を素早く織り上げられる
- 上品で高級感がある
- 厚みがあり立体的
- 生地が丈夫になる
- 色落ちしにくい
- 幅広いアイテムに使える
ジャカード柄のデメリット
- 色柄が複雑なものほど高価
- 生地が硬くなる
- 通気性はあまり高くない
その他
- 19世紀、フランス人のジョセフ・ジャカールがジャカード織機を発明しました。複雑な紋織物を作るには、「織り手」と、もう1人「紋引き手」と呼ばれる人が必要でしたが、ジャカード織機によって1人でも織ることができるようになったのです。ジャカード織機は、テキスタイル界の革命的存在となったのです。
- ジャカード織機を使って織られた生地や織組織のことを「ジャカードクロス」と言います。