クラッシュ
概要
太くて不均整な麻糸を使い、粗い密度で織った平織物です。ロシア原産の未晒し亜麻織物が由来。 本来は亜麻素材ですが、綿素材・スフ素材(レーヨンの短繊維)・綿と亜麻の交織のクラッシュも多く出回るようになりました。近年増えてきた綿やその他の素材と区別するために、亜麻素材のものは「クラッシュ・リネン」と呼ばれています。 また平織が基本ですが、綾や梨地を含める場合もあります。 ひざやももの部分に穴やほつれを作った「クラッシュデニム」や、ポプリン等の生地によこ糸を動かして曲線のある柄にする「クラッシュ加工」とは異なるので注意しましょう。
クラッシュの特徴
通常の織物はたて糸とよこ糸が規則正しく格子状に交わりますが、クラッシュ生地は糸の太さがバラバラのため、表面の格子が不規則に交わるのが特徴です。生地はやや肉厚になります。 また粗く織っているため、軽くて通気性バツグンな点も特徴のひとつ。風合いはやや硬めで、亜麻特有のシャリ感、清涼感を持っています。 全体的にナチュラルかつカジュアルな雰囲気を持っており、ジャケットや芯地などに使用されることが多いです。
クラッシュのメリット
- まばらな格子状でナチュラルな雰囲気
- やや肉厚だが軽やか
- 清涼感がある
- 通気性が高い
- 夏物からインテリアまで使える
クラッシュのデメリット
- 強く摩擦すると羽毛立ちやすい
- 冬物には不向き
その他
- 硬い風合いのためさまざまな方法で生地をたたいて風合いをやわらかくし、すべりやすく、光沢感を持たせることもあります。
- クラッシュ素材のタオルを「クラッシュ・タオル」といいます。色糸の縁飾りを付けたり、縞柄に織ったりするのが特徴。低価格なものは落綿糸を使い、高級なものだと双糸を使ったものまであります。
- 同じリネン織物に「シャー・リネン」「ビソ・リネン」があります。「シャー・リネン」は極細の糸を用い、「ビソ・リネン」は通常の太さの糸を使って硬仕上げにしたもの。それぞれ独特の風合いを持っています。