テレコ
概要
テレコとは、丸編み機で作るリブ編み「フライス」のひとつで、表目と裏目が同数に見えるよこ編みの生地です。実際は「針抜き編み」という変化組織によって作られます。
「針抜き編み」とは、部分的に編み針を抜きながら編む手法のこと。針を抜いた部分は編目ができず、たて畝が目立つ表面になります。
たとえば「2×1針抜きゴム編み」は、2針ごとに1針抜いて編むもの。見た目は「2×2リブ編み」と同じになります。他にも「3×1針抜きゴム編み」「5×1針抜きゴム編み」などもあり、編み方の数によって呼び方が変わります。もちろん見た目も変わるのがポイントです。
素材は綿・コットンを使用するのが主流ですが、保温性を高める羊毛・ウールや、より丈夫で長持ちするポリエステル・アクリルなども使用されます。
テレコの特徴
普通のリブ編みに比べるとテレコは編目がゆるくなっており、よこ方向への伸縮性バツグン。そのため体にフィットする衣類を作れるというメリットがあります。
なめらかで肌触りが良い編み方なので、着心地が良いこともポイント。こうした特徴から、伸縮性の求められる裾や袖口から、セーターや下着などにも用いられます。
消費者目線だけでなく、作り手目線でも優秀な生地です。たとえば耳まくれ(生地の端からくるくるとまくれること)しにくいですし、裁断してもほつれにくいため、カットソーにしやすいです。
またニット系の生地は毛玉ができやすいですが、テレコは毛玉ができにくくお手入れが簡単。長く愛用したいベーシックアイテムに取り入れられます。
ただし編み方が複雑になればなるほど、時間がかかったり、手編みだと間違えやすくなったりなどのデメリットもあります。
テレコのメリット
- よこ方向への伸縮性が高い
- なめらな肌触り
- フィット感のある衣類を作れる
- 着用時のシルエットを綺麗に出せる
- 耳まくれしにくい
- 糸がほつれにくい
- 毛玉ができにくい
テレコのデメリット
- 編み方が複雑のため、やや時間と手間がかかる
- 吸湿性・放湿性の悪い素材だと蒸れやすい
その他
- 「テレコ」は関西地域の方言で「互い違い」「交互」「あべこべ」などの意味があります。表目と裏目が互い違いに配列されることからこの名前がつきました。英語ではリブ編み(ゴム編み)と同じ「rib」または「rib stitch」と表記されます。
- 編み機の針が二重になっているため、テレコは「ダブル・ジャージー」のひとつだと言えます。