モヘヤ
概要
モヘヤ とは、アンゴラ山羊の毛を平織り、斜文織りにした毛織物、あるいは毛そのもののこと。アンゴラ山羊の発祥のトルコを中心に、南アフリカ、テキサスが三大産地です。中でも、南アフリカの生産量は全体の50%程度で、世界一の品質を誇っています。
モヘヤを刈り取るときのアンゴラ山羊の成長段階によって「キッド」「ヤングゴート」「アダルト」の3つにランク分けされており、特に仔山羊であるほど最高級品とされています。
モヘヤはやわらかい風合いなので、ウールと混紡してサマースーツに活用されることが多いです。他にも暖かい製品にはマフラーやコートなどがあります。
モヘヤの特徴
モヘヤの繊維の断面は角がなくなめらかなので、さらりとした手触りが心地良いことが魅力。モコモコした見た目でも、着てみるとチクチクしません。
また絹よりも上質なツヤがあり輝いていることから「ダイヤモンドファイバー」という異名も持っています。
保温性が高いのと同時に、吸湿性・通気性も高いモヘヤは、秋冬のセーターはもちろん春夏のニット素材としても使えるのがメリット。表面が起毛したニットはセーターに、圧縮してスーツになど、活用の幅も広いです。
また生地はやわらかくハリがあり、最もしわになりにくい天然繊維とも言われています。ただしデリケートな素材であることに変わりはないので、扱いやお手入れには注意が必要です。
毛足が長いことで光沢感を放っていますが、繊維同士が絡まりやすいため、毛流れに沿ってタオルなどで撫でてお手入れします。モヘヤは毛が抜けやすいので、硬いブラシはおすすめしません。また摩擦に弱いため、洗濯は手洗い推奨です。
また静電気も起きやすく、冬は要注意。
モヘヤのメリット
- 絹を上回る光沢感がある
- さらりとした手触り
- 保温性が高い
- 吸湿性・通気性も高い
- チクチクしない
- ハリ感があり、しわになりにくい
- 年間を通して幅広いアイテムに活用しやすい
モヘヤのデメリット
- 繊維同士が絡まりやすい
- 毛が抜けやすい
- 摩擦に弱い
- 静電気が起きやすい
- 全体的にデリケートなので扱いに注意
その他
- モヘヤを「アンゴラ」と呼ばないのは、アンゴラうさぎから取れる「アンゴラ」という毛・毛織物と区別するためです。一般的に「モヘヤ」と呼ぶときはアンゴラ山羊のこと、「アンゴラ」と呼ぶときはアンゴラうさぎのことを指します。
- ウールとモヘヤはよく似ていますが、ウールは縮れた繊維が絡まる性質により保温性が高まります。モヘヤの場合は、起毛した繊維がたくさんの空気を含みやすい性質を持っており、実はウールよりも保温性が高いのです。