フリース
概要
フリース とは、平織りまたは綾織りの紡毛織物に縮絨をかけた後、毛羽を起毛させ、織目がまったく見えなくなるように毛羽を密生させた毛織物のこと。本来はメリノウールを使っていましたが、近年はポリエステルや、ペットボトルをリサイクルしたものも増えています。
名前の由来は、羊1頭の毛をきれいに刈り上げた「fleece」という塊から。上手い人が刈り上げると1枚の毛皮のように見え、この刈り取った外観に似ていることから生地も「フリース」と呼ばれるようなりました。
フリースの特徴
フリース の生地は見て・触ってわかるとおり、表面がふわふわしていることが特徴。そのため手触りはクセになるほど心地良いですし、見た目にもかわいらしさとカジュアルさを兼ね備えています。
保温性があり暖かいため、冬のウェアとしておすすめ。その他、夏場に適した吸湿性・速乾性の高いフリース素材もあり、また裏地として使うなど、意外と使い道は幅広いです。
フリースのアウターやパンツからインナーまで、普段着としてはもちろん、アウトドアウェアとしても活用できます。
また色も豊富でカラフルなフリース、柄物フリースを作れたり、毛羽を長くしてブランケットに近いフリースにしたりなど、創作アイディアを刺激してくれる生地でもあります。
デメリットとして、防風性があまりないことが挙げられます。特に冬は、気温というよりも「風」により寒さを感じやすいため、フリースウェアを着ていてもインナーは必要となりそうです。
またフリースは洗濯を繰り返すことでよりやわらかく、柔軟な風合いになりますが、同時に毛玉ができやすくなります。定期的にお手入れしましょう。
フリースのメリット
- ふわふわの表面で、手触りが心地良い
- カジュアルで、普段着からアウトドアウェアまで使える
- カラフルに染色しやすい
- 使い道が幅広い
- 吸水性・速乾性の高い夏場のフリースもある
- 洗濯することでさらにやわらかくなる
- 毛羽を長くするとさらに心地良い肌触りに
フリースのデメリット
- 防風性がない
- 洗濯により毛玉ができやすい
その他
- フリースウェアはとてもエコな素材でもあります。アウトドアブランド「パタゴニア」では、モルデン・ミルズ社と共同開発した「シンチラフリース」を1985年に販売。1993年より、回収したペットボトルを素材にした再生フリース製品を販売しています。こうした活動があったからこそ、現代でも他メーカーでペットボトルリサイクルのフリース製品が作られるようになりました。
- フリースといえば最も身近な生地の1つですが、フリースの知名度を押し上げたのはユニクロです。1998年、色とりどりのフリースジャケットを低価格で販売したことでヒットしました。
- モルデン・ミルズ社では「ポーラテック」という商標名で、冬はもちろん夏場にも適したフリース素材を開発。吸湿性・速乾性が高く、さまざまなアウトドアブランドで利用されています。