モッサ
概要
モッサ は紡毛織物の1つ。しっかりとした地の紡毛織物の片面のみを縮絨・起毛し、毛羽を短く刈りそろえて仕上げます。これを「モッサ仕上げ」または「モス仕上げ」と言います。
そうすることで毛羽が直立し密集するため、織目が見えません。
表面が毛羽立っていて、まさに苔(moss)のような見た目や手触りになることから「moss finished cloth」という名前がつきました。
「モッサ」や「モッサー」は、実は日本の造語です。
モッサの特徴
モッサは「moss」という名前がついている通り、苔のような見た目・手触りをしています。表面の毛が短いので、ふわふわというより、ドライでフェルトに近い触り心地です。
緻密に織られていて毛羽が密集しており、織目が見えず、よく見ると霜降り状にも見えてきます。
また厚手で重厚感もありますが、実は見た目よりも軽く、モッサのコートを着ていても肩が凝りにくいのもポイント。もちろん保温性が高いため、暖かく過ごせるでしょう。
直立した毛羽はへたりにくく、手を離すと直立に戻ります。へたりにくい毛羽のものほど高級とされています。
デメリットは、ウールなのでどうしても毛玉ができてしまうこと。毛玉は放置すると生地のダメージになって広がってしまうため、ブラシなどで丁寧にお手入れしましょう。
また硬いためかさばりやすかったり、脱水が大変だったりなど、自宅で洗濯しにくいことにも注意しましょう。
モッサのメリット
- 保温性が高く、暖かい
- 重厚感があるが、見た目より軽い
- 苔のようなユニークな見た目・手触り
- 毛羽がへたりにくい
- 秋冬のコート類に最適
- 厚手で耐久性が高い
モッサのデメリット
- 硬くてかさばりやすい
- 自宅では洗濯しにくい
- 毛玉ができやすい
その他
- モッサと似た生地に「フランネル」や「ビーバー」があります。モッサはフランネルより織目が見えない、またモッサとビーバーは毛羽の長さが異なるなどの違いがあるので、見比べてみると良いでしょう。