帆布
概要
帆布とは、太くて丈夫な糸を使って緊密に織り上げられた、厚手の平織物のこと。糸を何本も撚り合わせることで太くし、その糸をみっちりと目を詰めて織ることで、厚みがあって丈夫な生地になるのです。
素材は綿や麻などの天然繊維から、ポリエステルなどの合成繊維も使われています。かつては天然繊維が多く使われてきましたが、防カビ・防腐・防虫、耐久性の向上などの観点から、現代では合繊帆布が増えてきました。
1平方メートルあたり8オンス(約224g)もあり、実際に持ってみるとその厚みや丈夫さをより実感できるかもしれません。
帆布の特徴
帆布はとても厚手で、かつ硬めの風合いが特徴です。キャンバストートバッグなどに見られる、あのざっくりとした風合いですね。
元は細い糸を撚り合わせて太い糸にしたもので織った帆布は、生地そのものも厚みが出ます。そして目が詰まっているため、耐久性にも優れていたり、糸がほつれにくかったりなど、さまざまなメリットがあります。
このようにしっかりとした帆布の使い道も幅広いです。バッグやスニーカーから、画布(キャンバス地)、ジャケット、インテリアまで。しかし硬めなので、洋服には取り入れづらい点に注意しましょう。
厚手ですが通気性も高く、一時は軍服にも使われていたという帆布。実は洗えば洗うほど、使い込めば使い込むほどに味わい深くなる生地でもあります。
ただ現代ではより通気性の高い生地が代替となっており、洋服として見る機会は少なくなっています。
帆布のメリット
- 厚手のわりには通気性が高い
- 硬めの風合い
- 耐久性があり、糸がほつれにくい
- 幅広いアイテムに使える
- 洗ってもへたりにくい
- 使い込むほど味わい深くなる
- 貿易の発展に一役買った生地である
帆布のデメリット
- 硬いため洋服としてはあまり向かない
- もっと通気性の高い生地に取って変えられてしまう
その他
- 帆布にはさまざまな別名があります。「キャンバス」や「ダック」のほか、元々は船の帆に使われていたことから「セールクロス」とも呼ばれます。
- 実は帆布の歴史は奥深いです。「帆」という名前がある通り、元は船の帆(風を受けるための布)として登場しました。古代エジプトで初めて使われ、そこから時代と大海原を経て日本に渡ってきたとき、最初に目を付けたのは織田信長だと言われています。この「帆」のおかげで貿易が盛んになり、世界中からあらゆるテキスタイルが運ばれるようになったと思うと、ロマンのある生地ですよね。