カットボイル

カットボイルの特徴

カットボイルは、表面に現れた小さな綿毛がドット柄のようにも見えて、とても可愛らしい印象の生地です。

実はクリップの手法はただの装飾用ではなく、表面に出た長い糸をカットして毛羽立たせることで、糸を抜けにくくしています。その結果、表面に綿毛のような立体的な模様が形成されるんですね。

薄手のボイル生地を使用しているため、ほんのり透けているのがポイント。ふんわりとやわらかいですが、優しいハリ感も感じられます。

またジャカード織機、トビー織機によって図柄を表現できるため、おしゃれなデザインが多いこともポイント。色落ちもほとんどしません。ジャカード生地よりも安価で、コスパが良いです。

地布となるボイル生地やローン生地は薄手のため、衣類にするには裏地が必要な場合があるので注意。

また、カットボイル・カットローンも春夏向けの生地。逆に言えば、秋冬には向いていません。

カットボイルのメリット

1. 表面の綿毛がドット柄のように見える
2. 優しく、可愛らしい雰囲気
3. 糸が抜けにくい
4. ソフトタッチで心地良い
5. 透け感がある
6. 薄くて軽い
7. ハリ感がある
8. デザインが豊富
9. コスパが良い

カットボイルのデメリット

1. あくまで春夏向けで、秋冬には向いていない
2. 衣類にするには裏地が必要な場合がある

その他

• 元々「ボイル（voile）」とは、透け感のある薄手の生地で、ボイル撚りで強く撚られた糸を使うため、生地にハリ感があるのが特徴です。
• カットボイ（クリップスポット）は、切り口が表面に出たものが「表切り」、裏側に出たものが「裏切り」と分けられます。
• 似た織物に、ジャカードの裏側をカットした「裏切り紋」という紋織物もあります。これはクリップスポットよりも柄が大きめです。

カットボイルの向いている用途