コーデュロイ
概要
コーデュロイとは、糸をよこパイル織りにしたあと、パイル(輪奈)を切って毛羽を立たせた綿織物のこと。たてに毛羽のコード状の畝が入り、遠目ではたてストライプのように見えます。
1インチ(2.54cm)の間に畝が何本あるかによって種類分けされています。※コーデュロイの種類を下部に記載
日本製のコーデュロイのほとんどが静岡県産。ひと昔前、日本では別名「コール天」「コールテン」と呼ばれていました。
コーデュロイの特徴
コーデュロイで目に見える特徴としては、たてに伸びる畝ではないでしょうか。この畝が凹凸や陰影を作り、立体的でスタイリッシュな印象を作っています。
摩擦に強くて耐久性があることもポイントで、この特徴からパンツやジャンパースカートなどのカジュアルな衣類に用いられることが多いです。
コーデュロイは肉厚で、表面の毛羽が短いながらもふわふわしていることも特徴。畝の凹凸の中に空気を含むため、保温性・吸湿性にも優れています。
しかし凹凸があることでホコリがたまりやすいです。ホコリを取ろうとガムテープや粘着クリーナーを当てると毛が抜け落ちたり、畝が寝てしまいます。
また何度も洗濯することで畝がつぶれて凹凸がなくなってしまうため、裏返したうえで洗濯ネットに入れるなどして洗いましょう。寝てしまった畝は、やわらかいブラシで下から上へとなでて復活させましょう。
コーデュロイのメリット
- たて畝の凹凸があり、立体的
- 肉厚でふわふわした手触り
- おしゃれ・スタイリッシュな印象
- 摩擦に強くて耐久性が高い
- 保温性・吸湿性に優れ秋冬向き
コーデュロイのデメリット
- 凹凸の間にホコリがたまりやすい
- 粘着性のあるものをくっつけると毛が抜ける
- 圧力を加え続けたり洗濯を繰り返した入りすると畝がつぶれる
コーデュロイの種類
鬼コール | 1インチの間にラインが3本しかない太い畝のもの。主にパンツの素材。 |
太コール | 1インチの間にラインが6本前後入るもの。パンツやブルゾンに適している。 |
中太コール | 1インチの間にラインが9本入るもの。スーツやジャケット、パンツ、スカートに適している。 |
細コール | 1インチの間にラインが15本以上入るもの。スーツからフォーマルなパンツなどに使われる。 |
極細コール | 1インチの間にラインが20本以上入るもの。シャツ素材に使われ「シャツコール」とも呼ばれる。 |
サマーコーデュロイ | レーヨンなど薄手の素材を用いた、夏向けのさらりとしたコーデュロイ。 |
その他 | 毛羽を形成した「アンカットコール」や、畝やプリントで色柄を表現したものなど。 |
その他
- コーデュロイはフランス王朝期、イギリスから渡ってきてルイ14世に献上された生地です。そのことから「cord du roi」=「王様のコード」と呼ばれるようになり、この名称がつきました。
- コーデュロイは元々作業着として使われていたので、地味な色合いものもが多かったですが、近年はパステルカラーやビビッドカラー、さらに柄物まで、派手で華やかなコーデュロイも増えていきます。
- 実は学校にある黒板消しの布地もコーデュロイ。摩擦への強さと、表面の凹凸で黒板をきれいに消せることから、コーデュロイが用いられています。
- コーデュロイによく似た生地に「ベルベット」や「別珍」があります。ベルベットは絹素材の高級な布地で、別珍は畝がなく全面が毛羽立っていることが特徴です。