シャンブレー
概要
シャンブレーとは、たて糸に先染めの色糸・よこ糸に白色のさらし糸を使用して織った平織物。近年はたて糸にさらし糸・よこ糸に色糸という真逆のシャンブレー生地もあります。
白色のさらし糸に色糸を交織することで霜降り効果が生まれます。色糸の発色がさらし糸により中和され、遠目で色糸が青なら水色に、黒ならグレーに見えることがポイント。
また、たて糸・よこ糸にそれぞれ異なった色の色糸を用いて平織りすると、光を受ける角度や見る角度によって色や見え方が変わる「玉虫効果」を持つシャンブレーもあります。
素材は綿・コットンを中心に、絹・シルクや麻・リネン、ポリエステル、またはこれらの混紡繊維も使用します。
シャンブレーの特徴
シャンブレーでは先染め糸を使用しているため、後染め(浸染・捺染・プリント等)の均一な色合いに比べ、霜降り状の独特な色合いが出ます。
薄手でソフトタッチ、さらにふんわりと軽くて通気性も高いため、涼しげな夏向けのアイテムにピッタリ。
さらに耐久性が高い生地なので、洗濯してもへたれにくく、先染め糸を利用しているため色落ちしにくいです。糸の組み合わせや使い方によってはカジュアルからセミフォーマルまで対応できることもポイント。
シンプルであることに加え、とても丈夫で長持ちする生地なので比較的どんなアイテムにも扱いやすいでしょう。
ただしインディゴ糸のように色落ちしやすい糸を使っていることがあるので、洗濯時や着用時は他の製品に色移りしないように注意。
また、シルクは黄変しやすいなど素材によって特性も変わるため、その素材に合わせたお手入れ・保管をしなければいけません。
シャンブレーのメリット
- 霜降り状の色合いが独特
- 薄手でふんわりと軽い
- やわらかな肌触り
- 通気性が高い
- 丈夫で耐久性がある
- 色落ちしにくい(インディゴ以外)
- 爽やかな印象で夏アイテム向け
- 扱いやすくて長持ちする
- カジュアルからセミフォーマルまで対応可能
シャンブレーのデメリット
- 色落ち・色移りしやすい糸もある(インディゴ糸など)
- 素材に合わせたお手入れ・保管は必須
その他
- 原産地はフランス北部の「キャンブレ(Cambrai)」であるため、その名前を取って「シャンブレー」になりました。キャンブレでは主に聖職者の服に使われ、20世紀初頭、アメリカでワークウェアとして使われたことをきっかけに、カジュアルスタイルの素材となりました。
- シャンブレーとよく似た生地に「デニム」や「ダンガリー」があります。デニムは平織りではなく綾織り(ツイル)、ダンガリーはたて糸に白糸・よこ糸に色糸を使用。また、3つの中でもシャンブレーは薄手です。