オーガンジー
概要
オーガンジーとは、上品な透け感と光沢のある薄手の平織物です。縦横ともに50番以上の強撚糸を使用し、縦と横を1本ずつ組み合わせながら織っていきます。そして織り上げたあとに硫酸処理(表面に樹脂を付着させる処理)を行います。
素材はレーヨンやナイロンなどの化学繊維、綿・コットンを用いたオーガンジーが近年の主流です。ただし、絹で織ったものは「シルク・オーガンジー」と呼ばれて重宝されています。強く撚った生糸と絹の持つセシリンというタンパク質のおかげで、しっかりとした張りとコシが出るのです。
オーガンジーの特徴
オーガンジーの最大の特徴は薄く透き通っていることです。織り目が粗いために、シースルー効果が現れています。
細い糸でも強く撚りをかけて織ることで生まれる張り・コシや、硫酸処理によって生まれるツヤ・光沢感なども相まって、とても上品でドレッシーな雰囲気に。
そしてなめらかな肌触りも持ち合わせています。これらの特徴から、レディースのブラウスやドレスなどにピッタリです。
また家庭でお手入れしやすいこともポイント。水洗い可能で硫酸仕上げによるツヤは洗濯しても落ちにくいですし、アイロンも当てることができます。
しかし水洗い可能といっても洗濯機で洗うとしわが残る原因になり、乾燥機にかけると変形することもあります。また薄手のためミシンなどで絡まりやく、無理に引っ張ると破れる可能性があるため、縫製の際には注意しましょう。
オーガンジーのメリット
- 薄くてふんわりと軽い
- 薄いのに張り・コシがある
- 透け感がフェミニン
- 上品な光沢感がある
- ドレッシーな雰囲気
- 家庭でお手入れしやすい
オーガンジーのデメリット
- しわになりやすい
- 破れやすい
- 穴が開きやすい
- 薄手で縫製のときに絡まりやすい
その他
- オーガンジーは英語で「organdy」と表記されますが、絹のオーガンジー(シルク・オーガンジー)は英語で「organza」と表記されて区別されます。日本ではどちらでも「オーガンジー」と呼ばれるのが一般的です。
- オーガンジーと似たものにチュール・シフォンがあります。チュールは編物で洗濯ネットのような六角形の目が特徴。シフォンはオーガンジーよりも細い糸を使った織物で、よりやわらかいです。
- オーガンジーというと洋装のイメージですが、近年は和装にオーガンジーを取り入れることも増えてきました。和装の重厚なイメージを、オーガンジーでやわらかくフェミニンな印象に塗り替えてくれます。