フェイクレザー
概要
フェイクレザーとは、リアルレザー(天然皮革)を模して作った人工のレザーのこと。フェイクレザーの製法は「合成皮革」と「人工皮革」の2つです。※詳しい製法は下部に掲載
合成皮革の場合、ひっぱり強さや伸縮性は基布によって大きく左右されます。
人工皮革は、外見から風合いまで天然皮革に近いです。樹脂を塗布することで天然皮革の銀面のような質感が出ています。
また合成皮革では難しかったスエード調の質感も、超極細繊維の生地表面を起毛させることで実現できるようになりました。
フェイクレザーの特徴
フェイクレザーはリアルレザーにはない特徴をたくさん持っています。軽く、しわになりにくいだけでなく、染色堅牢度が高いため鮮やかな色に染めることが可能です。
やわらかく、通気性や透湿性にも優れており、アウターをはじめとした衣料にも広く使われるようになりました。
その一方で、リアルレザーのような「使っているうちになじみ、味わい深くなる」という魅力が失われています。
ポリウレタン製のものは数年で劣化し、ポリ塩化ビニル製のものは接触した状態で長期間保管するとベタ付く、くっつくなどのデメリットもあります。定期的にクリームを塗る、適切に保管するなどのお手入れは必要です。
とはいえ、動物愛護問題・環境問題ともに悪い影響の少ないフェイクレザーは、サステナブルな素材として世界中で注目されています。
フェイクレザーのリット
- リアルレザーよりも軽い
- リアルレザーよりもコストが安い
- しわになりにくい
- 染色堅牢度が高く色落ちしにくい
- 染色すると鮮やかな色に発色する
- やわらかい
- 通気性・透湿性に優れ衣料向き
- サステナブルな素材
- 安定して生産できる
フェイクレザーデメリット
- 味わい深さがない
- ポリウレタン製だと数年で劣化する
- ポリ塩化ビニルはベタ付きやすくくっつきやすい
- 肌触りや通気性が劣るものもある
フェイクレザーの製法
合成皮革 | 基布に織物やニットを使用。表面に塩化ビニル系、ナイロン系、ウレタン系などの樹脂を塗布する。 |
人工皮革 |
ナイロンやポリエステルの超極細繊維を不織布にして、表面に樹脂を塗布する。 |
その他
- フェイクレザーは「イミテーションレザー」「シンセティックレザー」とも呼ばれます。
- 本物の動物の皮を使ったものは「リアルレザー」「天然皮革」「本革」などと呼ばれ、区別されます。
- 本革ではなく合皮を使うブランドも人気です。たとえばステラ・マッカートニーは特殊な人工皮革を作るだけでなく、積極的に動物愛護活動を行っています。
- 1964年にアメリカのデュポン社が人工皮革「コルファム」を開発。翌年、日本のクラレ社が「クラリーノ」を開発し、コストが安かったことからクラレ社は人工皮革の世界シェア25%を担うようになりました。その後、東レや旭化成など、大手企業が次々と人工皮革産業に参入しています。
- テレビCMでおなじみのランドセル「天使のはね」も、クラリーノを使用しているランドセルです。クラリーノは軽い、強い、お手入れが簡単という特性があり、日本のランドセル市場70%以上のシェアを誇っています。