レザー
概要
レザーとは、動物の皮が腐食しないようになめし加工したものです。動物の皮はそのまま使用すると腐ったり硬くなったりするため、なめし加工によって「皮」から「革」へと生まれ変わらせます。
なめしの方法は「タンニンなめし」と「クロムなめし」の2つ。
タンニンなめしでは植物に含まれるタンニンを使用します。丈夫で型崩れしにくく、使い込むほど革の味が出ます。しかし手間と時間がかかり、高コストです。
クロムなめしは19世紀に開発された方法で、化学薬品を使用。低コストで柔軟性や耐熱性に優れていますが、化学反応によりクロムが有害物質に変化することがあるため、人体や環境への配慮が必要です。
さらに、仕上げ加工にもいくつか種類があります。※仕上げの種類を下部に掲載
レザーの特徴
レザーに使用する動物によって、さまざまな特徴や用途があります。※レザーの種類を下部に掲載
どのレザーにも共通している点は、防風性・耐久性・保温性・柔軟性など多くのメリットを持っていることです。裁断することで衣料から小物まで幅広いアイテムに加工可能。
さらに使えば使うほどなじんで味わい深くなるため、自分だけのレザーアイテムを持つことができます。
しかし水濡れやカビに弱く、熱によって収縮・硬化しやすいことがデメリット。定期的にきちんとしたメンテナンスも必要です。お手入れをしないと汚れが目立ってしまいます。
レザーのメリット
- 防風性が高くアウターに使いやすい
- 耐久性が高く長く愛用できる
- 保温性が高く冬物に向いている
- 柔軟性が高くやわらかな着心地
- 動物の個性豊かな手触りや見た目を楽しめる
- 使えば使うほどなじみ、味わい深くなる
レザーデメリット
- 水濡れ、カビに弱い
- 熱によって収縮・硬化しやすい
- お手入れしないと汚れが目立つ
- 定期的なメンテナンスが必要
レザーのお手入れ方法は、乾いた布やブラシでホコリを取ってからレザー用の防水スプレーを吹きかけ、乾拭きすること。温度が高くなると油分が出るため、着用後や夏場は頻繁にお手入れすることが大切です。
レザーの種類
ステアハイド(雄牛) | 最も一般的な牛革。用途はかなり幅広い。 |
カウハイド(雌牛) | ステアハイドより薄くて柔らかい。 |
カーフ(仔牛) | しなやかで傷が少なく、牛革の中でも特に高級品に使われる。 |
ホース(馬) | あまり厚み、耐久性はないが、柔軟性に優れている。 |
ディアスキン(鹿) | ソフトで軽い。「レザーのカシミヤ」とも呼ばれ、水濡れしても油分を失いにくい。 |
ピッグ(豚) | 摩擦に強く加工しやすい。弾力性・耐久性が高く、ポツポツとした穴がある。 |
シープ(羊) | やわらかくて保温効果が高い。きめ細かいが強度はあまりない。 |
ゴート(山羊) | しなやかで丈夫。表面に独特のシボがあり、薄いが強度が高い。 |
オーストリッチ(ダチョウ) | 羽毛を除いた後の突起が特徴。使える面積が少ないので、高級バッグや財布に使われる。 |
クロコダイル(ワニ) | 独特な鱗模様がある。中央部は四角く、脇部分は丸みを帯びているのが特徴。 |
パイソン(ヘビ) | 個性的な斑紋が特徴。ダイヤモンド・パイソンなど皮革用のヘビには数種類いる。 |
仕上げの種類
表皮 | 表層(銀面)を活かしたレザー |
ヌバック/バックスキン | 銀面を削って起毛させたもの |
スエード | 革の裏側を細かく起毛させたもの |
エナメル | 革に合成樹脂を塗って光沢を出したもの |
その他
- レザーは「リアルレザー」「天然皮革」「本革」とも呼ばれます。古くから装身具や衣料品に加工され使われてきた古い素材です。
- 本物の動物の皮を使った「リアルレザー」に対し、動物に模して作った皮のことを「フェイクレザー」「人工合皮」「合皮」と呼んで区別します。フェイクレザーは安価で扱いやすいですが、リアルレザーの方が高級感があります。
- レザーは衣類だけでなく、靴、バッグ、ベルト、財布からインテリアまで、用途が幅広いです。高級感があるため、ハイブランドのバッグなどで取り入れられています。