ポプリン
概要
ポプリンは、よこ畝のある緻密な平織り生地です。たて糸とよこ糸の厚みが異なり、たて糸の密度はよこ糸の2倍近くあります。厚みの違う糸で平織りすることにより、布面にはよこ方向に細い畝が現れます。 また使う糸の太さや品質、素材によって、同じ平織り生地でも呼び方が異なります。※ポプリンの種類を下部に掲載
イギリスやフランスでは「ポプリン」、アメリカや日本では「ブロード」など、国ごとに違う名前で呼ばれることもあります。ただ厳密に言うと、ポプリンとブロードはよく似ていますが異なる生地です。
ポプリンの特徴
ポプリン生地は薄手ですが、とろみがあり、やわらかな手触りが特徴です。また耐久性が高く破れにくいのも特徴で、現代では衣類から小物、インテリア、資材まで、幅広く活用されています。ただし、薄手のため冬用アイテムにはあまり向いていません。 緻密に織られることで繊維がギュッと詰まり、光沢感も発します。もともと光沢感を出しやすいシルク素材などで織ることで、上品なツヤを出すことも可能です。 また、これといったデメリットがほとんどないのも特徴のひとつ言えます。だからこそ、どんなアイテムにも取り入れやすいでしょう。
ポプリンのメリット
- 薄手で軽量のため涼しい
- 緻密に織られるため耐久性がある
- プリントしやすい
- 柔らかく着心地が良い
- ハリがありしわになりにくい
- 汎用性が高い
ポプリンのデメリット
- 薄手のため保温できない
- 秋冬の商品には不向き
ポプリンの種類
ブロード | より緻密な織りで薄く、光沢感がありよりやわらかい |
タッサー・ポプリン | 厚手でよこ畝がはっきりと見える |
アイリッシュ・ポプリン | アイルランド産のリネンとコットンを混紡 |
シルクポプリン/ウールポプリン | それぞれ絹・羊毛を素材にしたポプリン |
その他
- 14世紀のローマ法王(pope)の所有地、フランスのアビニョンが原産地。そこから「poplin(ポプリン)」と名付けられました。当時は高級な生地で、法衣・聖壇・教会の装飾用などに使用されていました。19世紀には家具の外張りに、第二次世界大戦中はその軽量さと丈夫さから隊服に取り入れられています。それがきっかけで、現代では一般的な衣類によく使われるようになりました。
- たて糸にシルク、よこ糸にウールが使われるものが伝統で高価な生地でしたが、現代では綿100%で織られているものがほとんどです。コットンのほか、ウール、シルク、サテン、レーヨン、ポリエステルなども素材になりますが、厚みの違う2本の糸で平織りする点は同じです。