金巾
概要
金巾(カナキン/カネキン)とは、細めの単糸を固く撚った糸を緻密に平織した綿織物です。金巾の中には加工や織り方によって派生したキャラコ/キャリコ、キャンブリック、シーチングという3種類の生地もあります。※3種類の違いを下部に掲載
金巾の特徴
金巾は30番手〜40番手の細い糸を使用するため、綿の代表的な生地である天竺よりも薄手の生地に仕上がります。また経糸と緯糸を同等に保ちつつ緻密に織るため、表面はきめが細かく均一になります。 素材は綿100%のものが多いですが、綿とポリエステルを混紡することもあります。綿素材のナチュラルさ、素朴さが引き立ち、和風なイメージを持っているのが特徴です。
金巾のメリット
- 糸が細く、表面がきめ細かい
- 柔らかく肌触りが良い
- 薄手で軽い
- しなやかな風合い
- さまざまな加工ができる
- 質感から和風のイメージを出しやすい
- 薄手だが丈夫で耐久性がある
金巾のデメリット
- 色がにじみやすく、細かな染色に不向き
- 薄手で秋冬アイテムには不向き
- あまり伸縮性はない
- たたみっぱなしなどでシワがつきやすい
金巾の種類
キャラコ/キャリコ | 金巾を糊付けしてパリッとさせ、カレンダー加工によって光沢感を出した生地です。より高級感のある仕上がりになります。インドのカルカッタ(Clicut)地方で生産されていたものが由来です。足袋や割烹着などにはこちら。 |
キャンブリック | キャラコよりも薄手かつ硬めの素材感を持つ生地です。フランスのカンブレー(Cambrai)という都市で作られていた高級リネン生地が元になりました。「リネン風の綿織物」というイメージです。 |
シーチング | 粗い糸で緻密に織った安価な生地です。「シーツ用」という意味があります。ベッドシーツや枕カバーのほか、仮縫いや立体裁縫にも使用されます。 |
その他
- ポルトガル語の「cannequin」が語源となり、日本では江戸時代に伝来し「金巾」と表記されるようになりました。
- とても薄手のため、実は衣料用として使われることはほとんどありません。衣料用として使う場合にはステテコや着物の裏地として活用されます。
- 幅の広さによって「二幅」「並幅」「三幅」、加工によって「晒し金巾」「色金巾」「更紗金巾」など分類されることもあります。とてもオーソドックスな平織生地だからこそさまざまな種類・加工等への応用が可能です。