ミラノリブ
概要
ミラノリブとは、リブ編み(ゴム編み)と袋編み(筒状の編地を作る編み方)を組み合わせ、よこ畝があらわれた生地のこと。プレーンな編み地の「ダブルジャージー」の1種です。
編地は表も裏も違いはなく同じ。細かいよこ畝はありますが、布地はわりとフラットです。
ミラノリブの編み地を半分省略したものは「ハーフミラノ」と呼ばれ、同じく細かいよこ畝がありますが、表と裏に違いがあらわれます。
ミラノリブの特徴
「リブ」というとたて畝をイメージしがちですが、ミラノリブはよこ畝があらわれるのが特徴。たて畝のリブには伸縮性がありますが、よこ畝のミラノリブには伸縮性がありません。
伸縮性がないと着脱しにくいと感じることもありますが、ニット特有の伸びやヨレが起こりにくく、そのままの形状を保てるのがメリット。
着たときのシルエットもスッキリとしていてきれいです。
やや厚手で重みがあり、ややかためで、しっかりとした地合いもポイント。これだけ聞くと無骨な印象を持つかもしれませんが、実際にはきれいめで上品な印象があるため、意外とレディースのニットセーターやジャケットに人気。
また縫製の際にほつれにくいため、扱いやすいです。これまでニットでは表現できなかった細かなシルエット・ディテールも、ミラノリブなら表現が可能に。
ただ重めの質感なので、ワンピースなど使用する生地が多いと製品が重たく感じることも。また寒い季節にはピッタリですが、暖かい季節は汗ばみやすいので注意しましょう。
ミラノリブのメリット
- リブの中では珍しいよこ畝がある
- やや厚手で、しっかりとした地合い
- ニット特有の「伸び」を抑える
- きれいめで上品な印象
- ほつれにくく扱いやすい
- 体型を拾い過ぎず、スッキリとしたシルエットに
- ニットでは表現できない細かなディテールを表現可能
ミラノリブのデメリット
- 伸縮性が低い
- 重めなので使用する生地面積に注意
- 重いため春先や秋の始めは汗ばみやすい
その他
- 「ミラノ」という名前の由来は、イタリアの都市ミラノで作られたことから。
- ミラノリブと類似した生地に「ポンチ・ローマ」があります。これはインターロック(両面編み)の変化組織で編まれます。