鹿の子編み
概要
鹿の子編みはラーベン編みの一種。平編みやゴム編みにタック編みを組み合わせた編み地です。
タック編みとは、ある特定のループに糸を通さずに重ねていき、次の段を編む際に2本または3本まとめて糸を通す編み方のこと。タックした部分は穴が空いたような感じになります。
このタックを積み重ねていったり、配列を変化させたりすることで生地表面に凹凸が生まれるのです。タック編みの組み合わせ方によって次のような種類に分類されています。
- 並鹿の子
- 浮き鹿の子
- 表鹿の子
- 総鹿の子
- たて縞鹿の子
など
鹿の子編みの特徴
鹿の子編みは装飾性のある編み方なので、1色しか使わない無地の生地であっても、見た目にはニュアンスが生まれます。その名前の通り、鹿の背中にある斑紋のような凹凸があります。
タックにより空気の通り道ができ、通気性が良いのもポイント。冬用のニットセーターはもちろん、サマーセーターや夏物のポロシャツなどにも取り入れられるでしょう。
また鹿の子編みは表と裏は同じ見た目になり、耳まくれ(端から丸まる)しないことも特徴です。
横方向への伸縮性はないため型崩れしないこともメリットですが、場合によっては着脱のしにくさや、ピッタリとした服だと動きにくさにつながることはデメリットだと言えます。
鹿の子編みのメリット
- 鹿の斑紋のような小さな凹凸がある
- 無地でもニュアンスのある見た目
- 通気性が良くさらっとした着心地
- 表と裏で同じ見た目
- 冬物にも夏物にも使いやすい
- 型崩れしにくい
- 耳まくれしない
鹿の子編みのデメリット
- 横方向への伸縮性が少なく着脱しにくいことがある
- ピッタリとした服を作りにくい
その他
- 見た目が小鹿の背中にある斑点に似ていることが由来で「鹿の子」という名前が付きました。
- 絞り染めの「鹿の子絞り」も鹿の斑紋に似ていることからこの名前が付けられています。
- もちろん「鹿の子編み」は和名です。英語では「シード・ステッチ(seed stitch)」や「モス・ステッチ(moss stitch)」といいます。
- ポロシャツで有名なブランド「ラルフローレン」も鹿の子編みが用いられています。きれいに整ったクリアな表面と肌触りの良さ、快適さが合わさって、非常に高級感のある製品です。
- ラーベン編みは他にも亀甲柄(亀の甲羅のような柄)や波のような柄なども表現できます。