ジャカードクロス
概要
ジャカードクロス とは、ジャカード織機を使って生地を織りながら、柄や模様も一緒に織り込んでいった生地の総称です。またジャカード織組織を指す場合もあります。
ジャカードクロスでは様々な色柄・模様を表現可能です。
- ダイナミックな大きな模様
- 細かく繊細な模様
- シンプルで使いやすい模様
- 複雑で絵画のような模様
- 単色で表現した地模様
- 豊富な色を使ったカラフルな模様
ジャカードは大きく分けると2種類あります。「フルジャカード」は約520本の針が独立して動くため、複雑な柄でも織りやすいです。「セミジャカード」は約200本の針が動き、作れる柄は限られますが簡単な模様やスティッチを入れられます。
中には編み込むことで模様を作る「ジャカード編み」もあります。
ジャカードクロスの特徴
ジャカードクロスは柄が織り込まれていることが特徴。プリントよりも丈夫で、洗濯しても色や柄が落ちない、摩擦に強いなどの耐久性が高いです。
色柄や模様もとても豊富で、昔からの定番はエレガントでブルジョワ感のある柄ですが、最近は単色で織られるニュアンス柄が、生活に取り入れやすいと人気です。
小柄・大柄問わず複雑な模様を表現できるため、複雑なものほどそれなりにお値段はしますが、上品で高級感がありますよ。特にジャケットやスカート、カーペット、和服地に人気です。
生地に厚みが出て立体的になることから、凹凸した見た目や触り心地も楽しめます。
ジャカードクロスのほとんどは厚手なのでやや硬さがあり、コートなどに向いていますが、春夏には重い、蒸し暑くなるなどのデメリットが挙げられます。
ジャカードクロスのメリット
- プリント生地よりも上品な仕上がり
- 洗濯しても色落ちしにくい
- 摩擦に強く、耐久性が高い
- 豊富な色柄・模様がある
- 立体的な手触りを楽しめる
- 高級感のある仕上がり
ジャカードクロスのデメリット
- 複雑なものほどコストがかかる
- 厚手なので重みがある
- あまり通気性は高くない
その他
- 「ブロケード」「ダマスク」「綸子(りんず)」などもジャカードに分類されます。
ブロケード:よこ二重織りで、部分的によこ糸を浮かせることが柄を作るジャカード
ダマスク:表と裏に同じ柄が表れ、絹のような光沢感のあるジャカード
綸子(りんず):絹の生糸の無撚糸を使って表朱子と裏朱子で模様を表したジャカード - トビー織機も紋織物を作ることが特徴ですが、ジャカードよりも小さく単純な柄しか作れません。