カシミヤ
概要
カシミヤ とは、インド北部のカシミール地方に生息するカシミヤ山羊の毛を斜文織り、または平織りにした毛織物のこと。
カシミヤ山羊はゴワゴワした粗毛と、その下にやわらかく細い柔毛(いわゆる産毛)に覆われており、この柔毛部分がカシミヤと呼ばれる素材です。柔毛は山羊1頭から約200gしか採取できないため希少素材です。
カシミヤのセーターを1着作るには約4頭分のカシミヤ山羊の毛が必要とされていますが、柔毛が生えたらすぐ刈り取れるわけではなく、毛が生え変わる春まで待つ必要があります。
ただそのツヤと肌触りの良さから最高級繊維と分類されており、「繊維の宝石」とまでも呼ばれています。
セーターやマフラー、コート、毛布などに使われていますが、カシミヤ100%のものと、カシミヤとウールを混紡したものもあります。
カシミヤの特徴
カシミヤは「最高級品」と呼ばれるのに相応しく、上質なツヤと手触りが絶品。
山岳地帯にしか生息しないカシミヤ山羊の、さらに1頭から少量しか取れない希少素材ということも相まって、価格はかなり高価。ですが、実際に触ってみればその心地良さに納得できるはずです。
カシミヤは薄地で、とろけるようなやわらかさ。上品で落ち着いた光沢感があります。
また保温性・保湿性に優れているため、秋冬のセーターやマフラーに多く取り入れられているんですね。
高価とはいってもすべての製品が最高級品質というわけではなく、繊維の長さや細さなどでランク付けされています。高級なアイテムを作りたい場合には最高ランクのものを、少しでもコストを抑えたいなら、低めのランクのものを選ぶと良いでしょう。
繊維が引っかかりやすく、また摩擦に弱いことがデメリット。毛玉もできやすく、なるべく刺激を避けるように使用しましょう。
デリケートな生地なので使うたびに洗濯機で洗うのではなく、ブラッシングやホコリ取りなどのこまめなお手入れがおすすめ。洗う際は手洗いか、洗濯機のおしゃれ着洗いが良いでしょう。
カシミヤのメリット
- 「繊維の宝石」と呼ばれるほどの最高級品
- 上品な光沢感・ツヤが美しい
- 薄手で心地良いほどにやわらかい
- 保温性・保湿性に優れている
- ランク付けされているため、製品や予算に合わせて選びやすい
カシミヤのデメリット
- 価格がかなり高価
- 繊維が長いため引っかかりやすい
- 摩擦に弱く、デリケート
- 毛玉ができやすい
その他
- 名前の由来は、インド北部山岳地帯の古い呼び名「Kashmir(カシミール)」から来ており、カシミール地方産の山羊の毛を織った生地のことを指していました。
- 現在、カシミヤ山羊はインド以外にも中国、イラン、アフガニスタンなど、アジアの夏と冬の寒暖差が激しい山岳地帯に生息しています。中でも特にカシミヤの生産が多いのは中国の内モンゴル自治区です。
- カシミヤ山羊の体毛は白の他にもグレー、ブラウンがあり、カシミヤ独特の色合いを出すために色を混紡することも。淡い色に染められますが、純白のホワイトカシミヤ は最高級品とされています。
- カシミヤの質感をウールを使って再現したものを「カシミヤ織り」といって、カシミヤを使用した生地とは別ものに分類されます。ウール素材といえどカシミヤに質感がよく似ているため、コストを抑えたいときに便利です。