メルトン
概要
メルトン は毛織物の1つで、太めの紡毛糸を平織り、または斜文織りにします。その後、強い縮絨をかけて織目を密に詰めたら、毛羽を短く刈りそろえて仕上げます。(=メルトン加工)
そうすることで生地は厚く、メルトン独特の重厚感が出るのです。例えるなら、厚手のフェルトのような質感になります。
メルトンは主に冬物のアウターに適しており、ピーコートやダッフルコート、スタジアムジャンパーなどの素材として有名です。
メルトンの特徴
メルトンの特徴はなんと言っても、その重厚感のある装い。とても厚手でハリがあり、手触りもしっかりしており、やや硬めの風合いが特徴です。
表面は毛羽で覆われていますが、起毛はしていません。保温性が高く暖かいので、アウターやコート地などの防寒着にぴったりの生地です。
また厚手であることは耐久性が高いことでもあります。古くから漁師や船乗りのコートとして使われてきたという歴史もあります。
ただメルトンは選び方が難しい生地だとも言われています。まず重いことから、着ていると肩が凝りやすいです。水に弱く、雨の日は要注意。
さらに、重厚感がありすぎて、暖かすぎることから、着られる時期が真冬の1〜2ヶ月しかなく、あまりコスパは高くありません。ウール素材なので、押し入れで眠っている間に虫食いに遭いやすく、注意が必要です。
メルトンのメリット
- 重厚感があり、冬らしさを感じられる
- 保温性が高く暖かい
- 厚手で耐久性が高い
- さまざまなアウター・コートに最適
- ドレッシーな雰囲気がある
メルトンのデメリット
- 着られる時期が短く、コスパはあまり高くない
- 重いので肩が凝りやすい
- 水に弱い
- 虫食いに注意が必要
その他
- 梳毛糸を使ったメルトンもあり、「梳毛メルトン」「ウーステッドメルトン」と言います。ただし紡毛糸のメルトンよりもハリがなく、重厚感に欠けた、ライトなメルトンです。
- メルトンの名前の由来は、イギリスの地名「Melton」にちなんだものだとも、考案したのがハロー・メルトンさんという人だったからだとも言われています。