サージ
概要
サージとは、細い梳毛糸でを平織りにした毛織物です。羽毛立たないように、芝刈りのように表面の毛を刈り取る「クリア仕上げ」を行います。
毛織物の中でももっともポピュラーな生地で、誰もが一度は着たことのある学生服に多様されています。その他、スーツや礼服にも取り入れやすい生地です。
表面を見ると45度の斜文線が入っていることがわかります。素材はウールや綿、絹のほかに、ポリエステルの混紡やポリエステル100%もさまざま。
サージは使用する素材や織り方などの違いによって、さまざまな種類に分けられます。※サージの種類は下部に掲載
サージの特徴
サージの魅力は緻密に織られているため、耐久性が高いことです。学生服を3年間毎日着続けられたように、しっかりとお手入れすれば何年でも使うことができます。
表面をクリア仕上げにすることでなめらかな手触りにもなっており、通気性も高く、学生服から仕事の制服(ユニフォーム)、スーツなどにも幅広く取り入れやすいことがポイント。
しかし一方で、表面が擦れやすいことが欠点。擦れてしまうと生地が摩耗してしまうだけでなく、潰れてテカリが出てくるようになります。
学生服でいえば、おしりの部分がテカテカした経験がある人も多いのではないでしょうか。お手入れはブラシで汚し、アイロンがけはなるべく擦らないようにしましょう。
サージのメリット
- 耐久性が高く長年着ることができる
- クリア仕上げによるなめらかな手触り
- 通気性が高く快適に着られる
- さまざまな衣類に幅広く取り入れやすい
サージのデメリット
- 表面が擦れやすく、生地が摩耗する
- 表面が潰れるとテカリが出てくる
サージの種類
ウーステッドサージ | 梳毛糸を用い、もっとも一般的なサージ。 |
ガリサージ | 雑種羊毛のガリ糸を使用したサージ。硬くて手触りの悪い下級品。 |
コットンサージ/シルクサージ | それぞれ綿・コットン、絹・シルクを使ったサージ。 |
その他
- サージの名前の由来はラテン語で絹を意味する「serica」。この語源からわかるとおり、本来は絹織物でした。
- サージと良く似た毛織物に「トロピカル」があります。トロピカルは夏向け、サージは冬向けという違いや、色柄などにも違いがあります。サージは黒や紺が多く、トロピカルは明るい色が多いです。
- 学生服をはじめ、かつてサージは幅広く取り入れられてきました。しかしあまりにも大衆化しすぎたため、差別化を図るために他の素材が使われるようになり、最近は敬遠される傾向にあります。
- フランスのニーム地方で生産されていたサージは、現代でいう「デニム」の原型になったと言われています。