コットン・ギャバジン
概要
コットン・ギャバジンとは、表面にある急斜文線が特徴的な高機能生地。
たて糸・よこ糸ともに細い双糸を用いて緻密に急斜文織りをした後に、防水加工を施します。たて糸はよこ糸の2倍の本数が多く、65度から75度程度の斜文(ななめ線)が現れます。
1879年にバーバリー社がコットン・ギャバジンを開発し、特許を取得したため、バーバリーのトレンチコートが有名です。特許が切れた今では、多くのメーカーがコットン・ギャバジンでトレンチコートを作っています。
また現在のギャバジンは綿織物だけでなく、毛織物として上質な高級スーツやジャケット、パンツ、制服などにも幅広く取り入れられています。
コットン・ギャバジンの特徴
コットン・ギャバジンはかなり緻密に織られているため、まず耐久性が高いことが特徴。コットンを使用しているので保温性が高く、またデザインもスタイリッシュであるものが多いため、おしゃれな防寒着として大活躍するでしょう。
緻密に織り上げることで手触りはとてもなめらかで、しなやかです。程よい光沢感が品の良さを引き立ててくれるでしょう。
最後に防水加工を施しているため、水に強いこともポイント。バーバリーとしてのブランドイメージが強く根付いている生地であるため、どことなく高級感も漂います。
天然素材を用いるため経年変化のある生地ですが、「くたびれてきた」と感じる人がいる一方で「味わい深くなってきた」と感じる人もおり、感じ方は千差万別です。
家庭での洗濯は難しく、縮む場合があるため、クリーニングに出すようにしましょう。
コットン・ギャバジンのメリット
- 緻密な織りで耐久性が高い
- 防水加工により水に強い
- 手触りがなめらか
- 品のある光沢感
- 保温性が高く暖かい
- しなやかな風合い
- スタイリッシュなデザインに合う
- 高級感がある
コットン・ギャバジンのデメリット
- 家庭で洗濯できない(クリーニング必須)
- 価格がやや高め
- 経年変化がある
その他
- 別名「綿ギャバ」「ギャバディーン」「クレバネット」とも呼ばれたり、単に「ギャバジン」「ギャバ」とも呼ばれたりします。
- ギャバジンに近いもの毛織物には「サージ」があります。サージの綾目は45度であるのに対し、ギャバジンは65度から75度まであり、急斜文になっています。
- コットン・ギャバジンを使ったバーバリーのトレンチコートは歴史が深いです。第一次世界大戦にはイギリス軍用にこの生地を使ったコートをデザインし、トレンチコートとして注目されると同時に、高機能生地としても広く知られるようになりました。
- 格子柄である「バーバリーチェック」もジョージ5世から英国王室御用達を受けており、映画俳優らバーバリーチェックとトレンチコートを身に付けたことで、一緒に大流行しています。
- 1911年、人類で始めて南極点に到達したノルウェーの探検家、アムンゼンが防寒着として着用していたのもコットン・ギャバジンを用いたバーバリーのコートです。