ピケ
概要
ピケとは、表面によこ畝(ものによってはたて糸)のある厚手の二重織り組織・織物。よこ畝は「縄を密に並べたような」「畑のような」などと表現されることがあります。
表側は平織りで、裏側にはたて糸がきつく張られていることで、畝が盛り上げられて凹凸があらわれます。
また畝をはっきりと盛り上げるために凸の部分に芯糸が入っている「芯入りピケ」、芯糸が入っていない「芯なしピケ」の2種類に分けられます。
使われる素材は、通気性と保温性のバランスが取れている綿・コットンやウール、綿とポリエステルの混紡などです。コットンピケは主にシャツ地に、ウール素材はスラックスなどに使われます。
ピケの特徴
ピケの表面では畝が凹凸を作り出し、肌に直接触れる面積が少なくなります。そうすると空気の通り道ができるので、蒸し暑い夏などには特に嬉しい、快適な着心地が続くのです。
風合いもさらっとしており、とても涼しげ。柔らかいですがシャリ感があり、吸水速乾性にも優れています。
また、密に織られているため耐久性があることもポイントです。ドレッシーさもありますがリラックスした雰囲気も漂っているため、老若男女問わずシャツ地として活躍してくれるでしょう。
ただし、あまり伸びないためストレッチ性には欠けてしまいます。縫製の際にはサイズ感に注意しましょう。サイズ感さえ間違えなければ、着用した際に崩れることなくキレイなシルエットを保てます。
ピケのメリット
- 凹凸があることで快適な着心地になる
- さらっとした風合いで清涼感が漂う
- 吸水速乾性に優れている
- 耐久性が高い
- ドレッシーかつリラックスした雰囲気
- 老若男女・季節問わず使える
ピケのデメリット
- あまりストレッチ性がない
ストレッチ性を持たせたいときには、ポリウレタンなど伸びやすい素材を混紡すると良いでしょう
その他
- 「ピケ(pique)」はフランス語で「ステッチを刺す」という意味です。
- 「ピケ」は本項目で紹介した生地の他に、ピケのように畝が出るように織られた織物を総称する語句でもあります。
- 波状の畝があるピケや模様のあるピケなど、ユニークなものは特に「アートピケ」とも呼ばれます。
- ピケが誕生したのは1960年代半ば頃。アメリカ東海岸のファッションスタイルとして、ピケを素材にしたパンツ(ピケパン)が若者を中心に流行しました。
- たて方向に畝があるものは「たてピケ」と分類されることもあります。本来の「ピケ」とは織り方が異なりますが、見た目がよく似ていることが特徴。肉厚でコシのある生地です。