カツラギ
概要
カツラギ(葛城)とは、よこ糸に14〜18番手の太い糸を使用し、急傾斜の畝が表面に現れた厚手の綾織物のこと。綾織は「ツイル」とも呼ばれるため、かつらぎもツイルの一種に分類されます。
本来、カツラギには2本の糸を撚り合わせた双糸を使用しますが、現在はほとんどが単糸です。別名を「ドリル」とも言います。
素材は綿を中心として、綿とポリエステルの混紡も。綿を使う理由は、通気性が高いことや速乾性が高いことなど、厚手の衣類に向いているという利点があるためです。
カツラギの特徴
カツラギの特徴は、肉厚でとても丈夫なこと。そして厚みはありますがデニムよりやわらかく、家庭用のミシンでも簡単に縫製できること。
丈夫で耐久性もあり、傷みにくく、お手入れ簡単でしかも安価。そうした特徴から、デニムに代るジーンズの素材や作業着、コックコートなど、日常から仕事までヘビロテするアイテムに向いています。
後染めなのである程度は色落ちします。しかし、デニムのような味のある色の落ち方はしません。
また水に通すほどやわらかくなっていきますが、同時に強度も低下していくため、注意しましょう。
カツラギのメリット
- 肉厚で耐久性が高い
- 程よいやわらかさ
- 家庭で洗濯可能で、お手入れが簡単
- 日常着から仕事着まで幅広く使える
- 水に通すとやわらかくなっていく
カツラギのデメリット
- 色落ちしやすい
- 使うほどの味わい深さがない
- 水に通すと強度が低下していく
その他
- カツラギと同じく綾織の厚手生地に「デニム」があります。かつらぎは布地を後染め(浸染)しますが、デニムはたて糸に先染め糸を使用します。そのため、デニムが色落ちするとたて糸の色が薄くなり、全体的に白っぽくなったように見えるのです。
- 漂白したものを「白カツラギ」、カーキ色に染めたものを「茶カツラギ」と呼びます。このように、ホワイトデニムやカラーデニムなど、藍色のデニムよりもカラーバリエーションが豊富です。
- カツラギは厚手生地の中でも程よい肉厚感で、たとえば「オックスより厚手が良いけど、帆布ほどの厚みはいらない」といったときに活用できますよ。
- 海外では「ツイル」に統一して呼ばれています。