ローン
概要
ローンとは、麻のような風合いを持つ薄手の綿織物です。やや粗めに織られた平織り生地のひとつで、高級綿織物でもあります。
織糸に使用するのは60〜100番手の細いコーマ糸。すると、薄手で光沢のある生地になるのです。
もともとはフランスの町・ラン(Laon)で作られていた麻の薄い織物が発祥。現在はその風合いを模して、綿で作られたものコットン・ローン生地が主流となっています。
家庭でのソーイングにもよく用いられており、どこの手芸用品店でも見かける生地でしょう。
ローンの特徴
ローン生地の特徴は、軽やかで張りがあることです。薄手でふんわりと軽く、リネンの風合いを模しているため、さらりとした質感がポイント。かといって麻特有のシャリシャリした硬さではなく、なめらかでシルキータッチです。
張りは麻ほど強すぎないため、ほどよいドレープが出るのも特徴。張り感とドレープ性のバランスがよく取れていると言えるでしょう。
使用するコーマ糸が細ければ細いほど、薄手のローン生地になります。薄くなればなるほど軽くなり、さらに透け感も増し、用途に合わせて厚みを変えるのがおすすめです。
またプリントしやすい点にも注目です。そのなめらかな肌触りやで爽やかな印象から、花柄や水玉などをプリントして春夏向けの衣類によく使われています。
手芸用品店で並ぶローン生地は色柄が豊富なものがあり、モノづくりの幅を広げてくれるでしょう。
一方で、薄地特有の引っ張りに弱い、摩擦に弱いというデメリットもあります。
ローンのメリット
- リネンのような張りがある
- ふんわりと軽い
- 薄手なものほど透け感がある
- なめらかな肌触り
- 張感とドレープ性のバランスが良い
- 爽やかな印象がある
- プリントしやすく色柄が豊富
ローンのデメリット
- 強く引っ張ると破れやすい
- 摩擦すると風合いが変わる
- しわになりやすい
洗濯する際は洗濯ネットに入れるか、手洗いしましょう。またアイロンをかける際には、風合いを損なわないように裏側からかけましょう。
その他
- ローン生地は綿で織られたコットン・ローンだけでなく、麻で織られたリネン・ローン、綿とポリエステルを混紡した糸で織られたローン生地などもあります。
- 大切に扱うことで次第に肌馴染みがよくなり、アンティークのような風合いが現れるのも魅力です。
- 実はガーゼよりもきめが細かいのがローン。しかしローン生地の赤ちゃん肌着はありません。その理由は、ガーゼよりも破けやすいからなのです。
- 80番手以上の極細糸を使ったローン生地は高級感がありますが、中途半端に透ける・肌に張り付きやすくなるなど、使いにくくなる点にも注意。