綿・コットン
概要
綿・コットンは、代表的な植物天然繊維です。アオイ科植物の花が咲き終わり、実が熟すと開裂して綿毛のある種子が現れます。これが綿花(コットンボール)と言われており、この綿花から採取した繊維が綿と言われています。
綿は主に中国、アメリカ、インド、エジプト、メキシコなど比較的高温の地域かつ雨量の少ない地域で広く栽培されています。産地や品種により品質が異なり、繊維の長い繊維が長い綿であるほど高級とされています。さらに、白くて細長い撚りの多いもの程良質とされているため、カリブ海の西インド諸島で取れる「海島綿」が最高級綿とされています。日本は、ほとんどの綿花をアメリカとオーストラリアからの輸入しています。
綿・コットンの特徴
綿・コットンは天然のよじれがあることから、肌にあたる接触面積が少なくなり、さらっとした気持ちの良い肌触りが特徴的な素材です。また、繊維の中が空洞になっているため汗を吸収し、通気性に優れています。綿繊維は引っ張った時の強度が強く乾いているときよりも、濡れているときの方が10%〜20%近く強度が強くなります。アルカリ性に強いため、石鹸や合成洗剤で洗濯ができます。
ただし、水に濡れると縮むというデメリットがあるため、近年は防縮加工など縮み防止の加工をされていることも多いです。
綿・コットンのメリット
- やわらかく肌触りが良い
- 吸水性に優れている
- 通気性が良い
- 耐久性がある
- 染色がしやすい
- 耐熱性に優れている
- アルカリ性に強い
- 安価である
綿・コットンのデメリット
- しわになりやすい
- 水に濡れると縮みやすい
その他
- シワになりやすい欠点は樹脂加工や形態安定加工を施すことで改善できます。また、ポリエステル繊維と混紡する方法もあります。
- 綿の原産地はインドで、紀元前3500年頃には栽培されていたとされています。
- 肥料や農薬を使用していない農地で、科学肥料や農薬を一切使用せずに生産された有機栽培の綿の事をオーガニックコットンと言います。