ポリ塩化ビニル PVC
概要
ポリ塩化ビニルとは、石油・石炭・天然ガスなどを原料として作った化学繊維・合成繊維です。「塩化ビニル」「塩ビ」とも呼ばれます。また「PolyVinyl Chloride」の頭文字をとって「PVC」という表記もされます。
いわばビニールやプラスチックのような合成樹脂素材である「塩化ビニル樹脂」を繊維化したもの。
肌着からPVCバッグ(ビニールの透け感をそのまま活かしたバッグ)まで、硬さのまったく異なるアイテムに使われます。実はやわらかくするための可塑剤を使うことで、硬いポリ塩化ビニルからやわらかいポリ塩化ビニルまで調整できるのです。
ポリ塩化ビニル PVCの特徴
ポリ塩化ビニル・PVCはとても丈夫で耐久性に優れており、ビニールと同じような素材ながら燃えにくいという特徴があります。
保温性も高いため冬用の肌着だったり、マイナス静電気を帯電しやすいためリウマチに効果的な健康肌着だったりと、少し変わったアイテムを作るのに最適です。
しかし吸湿性、耐熱性、染色性が低いことがデメリット。その他にも縮みやすかったり、日光に長時間当たることで劣化・黄変したりなどの欠点もあり、どうしても用途は限られてしまいます。
ポリ塩化ビニル・PVCのメリット
- 耐久性・強度が高い
- 難燃性があり燃えにくい
- 保温性が高くあたたかい
- リウマチに効果的なマイナス静電気を帯電しやすい
ポリ塩化ビニル・PVCのデメリット
- 吸湿性が低い
- 燃えにくいが耐熱性が低い
- 染色性が低く染まりにくい
- 洗濯などにより縮みやすい
- 紫外線で劣化や黄変しやすい
その他
- 1835年にポリ塩化ビニルの粉末が開発されてプラスチックが発明されましたが、耐久性には乏しく、実用化は難しいものでした。そして1931年に、初めてドイツで実用化可能なポリ塩化ビニル・PVCが生産されました。
- 1990年にはポリ塩化ビニルがダイオキシン類の主要発生源と考えられるようになり、社会問題となって不買運動にもつながったことがあります。現代では別の新たな研究も発表されていますが、プラスチックの使用料削減、分別収集など、環境を守る取り組みは続けていきましょう。