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抽象柄

概要

抽象柄とは、具体的なモチーフを持たない柄の総称です。無機質な点や線、面などによって構成されています。別名「アブストラクト・パターン(abstract pattern)」とも呼ばれます。

抽象柄は20世紀頃に活躍した抽象画家や絵画技法の影響を受けて作られたものも多いです。※抽象柄の表現技法は下部に掲載

抽象柄の特徴

抽象柄はどこか掴みどころのない柄ですが、実はさまざまな種類があります。※抽象柄の種類は下部に掲載

芸術・美術的な要素が強く、目を引く柄が多いです。ほとんどが20世紀の絵画から発想を得ており、モダンでスタイリッシュな柄が特徴。

生地にプリントすることで取り入れられることが多いですが、先染め糸で表現する方法としてジャカードがあります。ただより複雑な柄になると、ジャカードでの表現では限界があります。

またファッション等への取り入れ方に注意しないと、悪目立ちしてしまったり、ちぐはぐした印象になったりと、どちらかと言えば上級者向けの柄だと言えるでしょう。

抽象柄のメリット

  1. 偶発的に生み出され、芸術性が高い
  2. モダンでスタイリッシュ
  3. 絵画的な美しさがある
  4. プリントにより複雑な柄も表現できる

抽象柄のデメリット

  1. 後染め(プリント)のため、色落ちしやすい
  2. 素材によっては染色しにくい
  3. 複雑な柄はジャカードで表現できない
  4. ファッションへの取り入れ方は上級者向け

抽象柄の表現技法

アンフォルメル 1940年代半ばから1950年代にかけて現れた、激しい抽象技法。不定形なパターンが特徴。
アクション・ペインティング 塗料をキャンバスに無造作に垂らし、偶発的に絵画を生み出す手法。
オプティカル・プリント さまざまな形に変形させた四角形を並べ、錯視効果を生み出したもの

抽象柄の種類 

幾何学模様 直線・曲線・円などの図形によって構成される柄の総称。ポピュラーな水玉柄も幾何学模様に分類される。
イタリアン柄 イタリアで生産される、鮮やかな色彩とインパクトある図形が特徴の柄。
迷彩柄 自然の中にカムフラージュすることを目的に作られた柄。
ペイズリー柄 インド生まれの伝統なオリエンタル柄。
モンドリアン柄 オランダの抽象画家ピエト・モンドリアンの作品「コンポジション」の構図を取り入れたもの。イヴ・サンローランの出世作にも使われている。
サイケデリック柄 派手な色使いや曲線を多用し、ヒッピー文化で大流行した柄。
グラフィック柄 さまざまな線や文字、記号、絵から写真までをメインに、視覚的な効果を追求した柄

 

 

その他

  • 一時期、抽象柄で全身を包むファッションが流行しましたが、令和時代ではスカーフなどで部分使いすることがトレンドです。
  • ファッションとして大胆に取り入れられることは減ったものの、芸術的な美しさがあるため、インテリアに取り入れる人は増えています。
  • 具体的なモチーフを持たない抽象柄に対し、植物や動物など具体的なモチーフをデザイン化した柄が具象柄です。

抽象柄の向いている用途

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