インクジェットプリント
概要
インクジェットプリントとは、後染め・捺染のひとつで、生地に染料を乗せて熱をかけて染着します。
グラフィックソフトで製作した柄のデザインをデジタルデータ化し、捺染機械(プリンター)に読み込ませ、染料をインクジェットで生地に吹き付けて染色。
同じく捺染であるスクリーンプリントとの違いは、デジタル技術を用いていることです。スクリーンプリントでは表現できなかった色味や細かいグラデーションなども表現できるようになり、急速に拡大しています。
またスクリーンプリントに比べて水の使用量も少なくエコロジーな染色方法でもあります。
インクジェットプリントの特徴
インクジェットプリントは美しく鮮やかな色や柄を表現できるだけでなく、より複雑で時間のかかる細かなデザインをプリントできます。表現力が高いため、消費者はアパレルや小物、インテリアなどでさまざまなデザインを楽しめるようになりました。
さらに多くのデザインを少ロットで生産可能なため、コストが抑えられるというメリットも。生産コストは年々低下している傾向にあります。
またデジタルデータを用いているということは、デザインの編集や修正、さらに保存も可能ということです。
このデザイン性の高さに加え、写真やイラスト、絵画なども生地にプリントでき、気軽にオリジナル製品を作れるようになっています。
ただし生地表面に染料を吹きかけて定着させているだけなので、洗濯や摩擦により色落ち・色移りしやすいというデメリットに注意しましょう。
インクジェットプリントのメリット
- 鮮やかに色に染色できる
- 複雑で細かな表現も可能
- 多くのデザインを小ロットで生産可能
- スピーディーにプリントできる
- コストが抑えられる
- 水の使用量が少なくエコロジー
- デザインのデジタルデータを編集・修正・保存可能
- 写真・イラスト・絵画もプリントできる
インクジェットプリントのデメリット
- 洗濯により色落ちや色移りしやすい
- 摩擦により色落ちや色移りしやすい
その他
- 近年では、伝統的な「友禅」などの一部の和服地や皮革にもインクジェットプリントが取り入れられるようになりました。高度な職人技術が必要な繊細なデザインも、インクジェットプリントでいつでも再現できるようになったのです。
- 同じくインクジェットプリンターを使った染色方法に「昇華転写」があります。インクを吹き付けてプリントしたあと、熱を加えたり圧力を加えたりして定着させます。そのため使用できる素材はポリエステルなど耐久性のあるものに限られます。
- 近年のトレンドの入れ替わりは早く、よりスピーディーな生産が求められています。色落ちしやすいインクジェットプリントですが、その欠点を含めても現代のトレンドに最も柔軟に対応しやすい染色方法だと言えるでしょう。