ウォッシャブル加工
概要
ウォッシャブルとは「水洗い可能な」という意味。
ウォッシャブル加工は、本来は水に弱く洗濯によって縮んだりしわができたりしやすい素材を、水洗いできるようにする加工法のこと。主に羊毛・ウールや絹・シルクなどに用いられます。
素材の持つ特性はそれぞれ違うため、加工方法も素材によって異なります。※ウォッシャブル加工の種類・加工方法は下部に掲載
ウォッシャブル加工の特徴
水に弱い生地にウォッシャブル加工を施すことで、洗濯によるヨレやしわ、退色などを防げるようになります。つまり、本来は洗濯できない生地を洗濯機で洗えるようになるということ。
普段着はもちろん、着物やスーツ生地にも加工ができます。普段から着物やスーツを着る機会が多い人ほど、クリーニング代を節約できるでしょう。
ただしウォッシャブル加工も万能ではありません。「洗濯機でガンガン回せる」というものではなく「一般的な洗濯機の手洗いモードくらいなら使える」程度の機能性です。
また、ウォッシャブル加工の生地であっても繰り返し洗濯することで傷んでしまいます。
とはいえ、本来はクリーニングに出さなければいけない生地を手軽に洗えるようになるのは、大きな違いです。
ウォッシャブル加工のメリット
- 家庭で手軽に洗濯できるようになる
- 洗濯によるヨレ・しわ・退色を防ぐ
- クリーニング代を節約できる
- 生地の扱いやお手入れがラクになる
ウォッシャブル加工のデメリット
- 洗濯できても「手洗いモード」など刺激の弱い洗い方のみ
- 洗濯を繰り返すことで傷んでしまう
ウォッシャブル加工の種類
サンシルク加工 | 繊維と繊維の隙間に水が入らないように橋をかける(架橋反応)加工法。 |
サンフォライズ加工 | 生地に水分を含ませ、圧力をかけることで収縮させる。その後ドライヤーで乾かし、繊維が縮んだ状態で安定させる加工法。 |
スーパーウォッシュ加工 | 毛のスケール(表面のうろこ)をコーティングし、繊維同士が絡まないようにする加工法。 |
ネバーシュリンク加工 | 毛のスケール(表面のうろこ)を溶かして落とし、繊維同士が絡まないようにする加工 |
など。
その他、羊毛と極細ポリエステルを混紡し、ウォッシャブル効果を得る方法や、表面に撥水材などをコーティング(撥水加工)して「ウォッシャブル」と謳っている製品もあります。
その他
- 洗濯時の生地の縮みを防ぐ「防縮加工」も、ウォッシャブル加工のひとつです。
- ウォッシャブル加工と混同しやすい加工法に「ワッシャー加工」と「ウォッシュ加工」があります。それぞれ「洗う」を意味する「wash」から派生したものですが、まったく異なる加工法です。
- ワッシャー加工とは、洗いざらしのような素朴な風合いを持たせるおしゃれ加工。ウォッシュ加工とは、デニムなどで風合いを持たせるために色落ちさせるおしゃれ加工です。