UVカット加工
概要
UVカット加工とは、UV(紫外線)を遮断する加工法・機能加工。加工法には、紫外線を吸収するもの、反射するものの2種類があります。※UVカット加工の種類は下部に掲載
カーボンや酸化チタンなど紫外線を遮断するための素材にはいくつかあり、中でも特殊セラミックが代表的です。
防止できる紫外線の割合で「UVカット率95%以上」などと表示することもできます。最も紫外線量が多いのは5月〜8月なので、夏物の衣類、帽子、日傘などにUVカット加工を施すことが多いです。
UVカット加工の特徴
UVカット加工は最も身近な機能加工です。過度なUV(紫外線)を遮断することで肌や生地へのダメージを軽減します。
肌へのダメージは主に日焼け、シミ、乾燥など。UVAは窓や衣服までを透過して肌まで届くため、UVカット加工により肌への負担を軽くします。
同時に、生地は紫外線に当たることで変色・退色などが起きてしまうため、そうしたトラブルを防ぐ効果もあります。
たとえば繊維に練り込む加工法のものは洗濯しても落ちにくく、半永久的にUVカット効果が続くのが特徴。しかし化学繊維にしか加工できず、天然繊維には加工できません。
一方で生地の表面をコーティングする加工法は、天然繊維の生地でも加工可能な一方、洗濯によって効果が薄れていくという欠点もあります。
どちらの加工法にもメリット・デメリットがあるため、用途や目的によって選び分けましょう。
UVカット加工のメリット
- 肌に届く紫外線を大幅にカットできる
- 日焼け・乾燥など肌への負担を軽くする
- 変色・退色など生地へのダメージを防止する
- 半永久的に効果が続くものもある
UVカット加工のデメリット
- 紫外線錯乱剤は天然繊維に加工できない
- 紫外線吸収剤は洗濯すると効果が薄れる
UVカット加工の種類
紫外線散乱 | 紫外線を反射させる微粒子を繊維の中に練り込んだり、織り込んだりする。その繊維で製品を作ると、紫外線が反射して散乱し、肌に届きにくくなる。綿などの天然繊維には加工できない。 |
紫外線吸収 | 生地に紫外線を吸収する有機物を塗布・付着する。生地が紫外線を吸収し、微小な熱エネルギーとして外に放出する。安価で天然繊維にも加工できるが、洗濯によってコーティングが剥がれ落ちやすい。 |
その他
- 実は絹・シルクや羊毛・ウールなどは紫外線透過率が低い(紫外線を通しにくい)ため、UVカット加工は不要です。また薄手よりも厚手、淡色よりも濃色のほうが紫外線を通しにくいので、日焼けを防ぎたい人はそうした衣類を選ぶのがおすすめ。
- とはいえ、暑い夏には薄手や白色のアイテムを選びたくなるもの。現代の技術であればたとえ紫外線を通しやすい素材でも9割以上防げるようになっているので、積極的にUVカット加工製品を取り入れましょう。
- 太陽の「熱」自体は紫外線ではなく赤外線であるため、この熱を遮断するには「遮熱加工」「遮熱素材」が必要です。