ラミネート加工
概要
ラミネート加工とは、ポリウレタン樹脂やポリ塩化ビニル樹脂を素材としたフィルムあるいはスポンジを、生地の表面に貼り付ける加工のことです。主にナイロンなどの化学繊維から、綿や麻などの天然繊維にも用いられます。
生地に織り上がった状態で加工され、加工法は次の3つです。
- 接着剤をで貼り付ける
- 合成樹脂で融着する
- フィルムを加熱して接着する
紙に透明フィルムを貼り付けて保護する、あのラミネート加工と基本的には同じものです。
生地のラミネート加工は、表面のみフィルムを貼り付ける場合がほとんど。そのため、裏面は本来の生地の手触りのままとなっています。
ラミネート加工の特徴
ラミネート加工は生地の表面を保護するために行われる加工なので、さまざまなメリットがあります。
まず防水性を高められること、汚れが付いても落としやすいことが最大のメリットだと言えるでしょう。そのためテーブルクロスやレインコート、水回りで使うポーチなどにラミネート加工が施されます。
生地そのものの重さをほとんど変えず軽量のまま、保温性を高められることもポイント。生地の色落ち、摩擦、ほつれを不正で耐久性を高められるため、出番の多い子供用の食事エプロンなどにもおすすめです。
多くのメリットもある一方で、デメリットもそこそこあるので注意しましょう。
まず表面を膜で覆ってしまうので通気性が悪く、蒸れやすくなります。レインコートなどにラミネート加工をしたい場合は、多孔質の膜を貼って湿気を通すようにしましょう。
ラミネート加工した生地は一度縫うと針痕が元に戻らないため、基本的に縫い直しができず、縫製初心者は扱いづらいと感じるかもしれません。
また熱や紫外線などに弱いです。紫外線に当たらないように保管し、アイロンをかける際は裏側からかけるようにしてください。洗濯機で洗うのは避け、手洗いか、表面の汚れを濡れタオルで拭くお手入れ方法がおすすめです。
ラミネート加工のメリット
- 防水性を高める
- 保温性を高める
- 軽量(加工後ほどんど重さが変わらない)
- 汚れを落としやすい
- 生地の色落ちを防ぐ
- 摩耗やほつれ防止し耐久性が上がる
- シワになりにくくなる
ラミネート加工のデメリット
- 蒸れやすくなる
- 縫い直しができない
- 高熱でフィルムが溶けることがある
- 紫外線でフィルムが変色しやすい
- 洗濯機で洗うとフィルムが剥がれやすい
その他
- レザーのような質感を出すために、ラミネート加工と一緒にエンボス加工が施されることもあります。
- ラミネート加工は、食べ物や飲み物をこぼしたり汚したりしても掃除しやすいよう、子供用バッグなどにも重宝されています。