リップル加工
概要
リップル加工とは、生地に苛性ソーダなどの水溶液を付着させて収縮させ、さざ波状のシワや凹凸を作り出す加工です。
似たような凹凸感のある生地には「サッカー」や「クレープ」があり、塩縮加工よりもナチュラルでやさしげな雰囲気になります。
生地全体にシワを作るのはもちろん、生地の一部にだけ水溶液を捺染し、部分的に凹凸を作ることも可能です。
この加工ができるのは、綿(コットン)・絹(シルク)・麻(リネン)・レーヨン・キュプラなどセルロール系の織物です。
リップル加工の特徴
リップル加工をすることで自然なシワを作り出して生地の表情を変えられるほか、シワ独特のシャリ感が出るなど、手触りの変化もあります。
ポコポコとした凹凸により、パリッとした生地でもラフでリラックス感のある生地になることがポイント。塩縮加工ほどシワは強すぎないので、色や柄の邪魔をしません。
また凹凸が増えることで肌に触れる面積が少なくなり肌にまとわり付かないので、さらりとした肌触りも得られます。こうした特徴から、夏物の衣類にはリップル加工が人気です。
シワは半永久的に残り、洗濯で落ちにくいことも特徴。アイロンがけが不要になるためお手入れも簡単です。
その反面、アイロンでシワを伸ばしにくくなります。パリッとした状態で着れないため、フォーマルには不向きです。
また苛性ソーダは今日アルカリ性で肌に触れると危険な薬品のため、加工の際は肌や目を守るなどの対策が必要です。
リップル加工のメリット
- 自然なシワを作れる
- 表情のある生地になる
- シャリ感のある手触り
- まとわりつかずさらりとした肌触り
- ラフでリラックス感がある
- 夏物の衣類にぴったり
- 柄があっても加工できる
- シワは半永久的に残る
- お手入れがラクになる
リップル加工のデメリット
- シワは伸ばせない
- フォーマルには不向き
- 苛性ソーダが肌につかないように注意
その他
- 「リップル(ripple)」は「縮み」「さざ波」という意味。サッカー生地のようなシワができるため「サッカー加工」と呼ばれることもあります。
- リップル加工を施した生地は「リップル」と呼ばれます。
- リップル加工の1つに「塩縮加工」があります。塩縮加工では生地を水溶液に“浸す”のに対し、リップル加工では生地に水溶液を“付着(捺染)”するという違いがあります。
- 苛性ソーダは水酸化ナトリウムなので、強い刺激があります。肌に触れるとただれたり、目に入ると一滴でも失明するおそれがあるため、取り扱いには注意!