プリーツ加工
概要
プリーツ加工とは、生地にプリーツ(ひだ)を固定する加工法です。
樹脂や薬品を用いる方法から、合成繊維の熱可塑性(熱すると変形し、冷却すると固まる性質)を利用する方法などがあります。
以前は熱可塑性のあるポリエステルにのみ加工が可能でしたが、樹脂を使うことで、綿(コットン)・絹(シルク)・麻(リネン)・羊毛(ウール)にも加工できるようになりました。※プリーツ加工の製法は下部に掲載
プリーツスカートはもちろんですが、スラックスにも用いられる加工法で、特に制服の加工に便利です。
プリーツ加工の特徴
プリーツ加工で生地にプリーツを与えることで立体感が生まれます。装飾性のある衣類に仕上げられ、おしゃれなプリーツスカートなどは女性に人気が高いです。特にタータンチェック柄との相性が良く、学生服を思わせる雰囲気に。
プリーツもひだの幅や折り方によって豊富な種類があるため、いくつかのプリーツを見比べてみると面白いですよ。
プリーツは装飾的な面だけでなく、機能面にもメリットがあります。ひだがあることで足元にまとわりつきにくくなり、動きやすくなるのです。テニススコートにプリーツがあるのはこのためです。
固定したプリーツは半永久的に残り、洗濯したり、雨に濡れたりしても簡単には落ちません。洗濯後はノーアイロンでもキレイな状態のプリーツを維持できます。
しかし、プリーツのかけ方が弱いと伸びてくる場合もあります。また繊維の素材によって適した加工法が違うため、正しく選ばないと失敗することも。プリーツ加工をする前に試しかけすることをおすすめします。
プリーツ加工のメリット
- 衣類に立体感が生まれる
- 装飾性がありおしゃれ
- ひだの幅や折り方を調節できる
- 動きやすくなる
- 半永久的に残り、洗濯しても落ちない
- ノーアイロンでもきれいなプリーツ
プリーツ加工のデメリット
- 素材によって適切な加工法を選ぶ必要がある
- かけ方が弱いとプリーツが伸びてくることも
プリーツ加工のやり方
パーマネントプレス加工 | 生地に樹脂を付けて乾燥した後、縫製・プレスして、樹脂を固定させる。主に合繊繊維に用いられる。 |
シロセット加工 | 薬剤を散布した生地に蒸気プレスをし、プリーツをつける。ウールなどの毛織物に用いられる。 |
リントラク加工 | 樹脂を生地に塗布し、プリーツ状に折り目を固める。綿や絹などの天然繊維に用いられる。 |
使用している繊維によって適した加工法を選びましょう。
その他
- 「シロセット加工」はオーストラリアの羊毛研究所で開発された加工法です。蒸気プレスにより毛織物の風合いを損なうことなく、キレイなプリーツ(ひだ)を作れます。
- どれも同じに見えるプリーツの形状ですが、「サイド」「ボックス」「アコーディオン」「クリスタル」などの種類があります。
- イッセイミヤケの「プリーツプリーズ」シリーズが有名。ポリエステルの生地全体に細かいプリーツを施しており、装飾的かつ機能的な製品です。
- 最初に衣類にプリーツを施したのは古代エジプト時代だと言われています。プリーツは雲の隙間から見える太陽光のようで神秘的だったため、高貴な人々だけが身に付けていました。