フロッキー加工
概要
「フロック」とは、0.1mm〜数mmのごく小さな毛羽や毛くずのこと。このフロックを生地の表面に付着・固定させる加工方法が、フロッキー加工です。いわゆる「植毛」の加工方法ですね。
フロッキー加工の製法は、生地にあらかじめ接着剤を塗布した後、静電気を帯電させて毛羽を植え付けていきます。静電気により、毛羽は垂直に立たせた状態で接着させることが可能です。
ここで使用される毛羽は静電気を通しやすいナイロン製のものがほとんどです。
フロッキー加工の特徴
フロッキー加工を施すと、ベルベットやスエードのような毛が生えた見た目・ふわふわした手触りになることが魅力。
生地全体ではなく、部分的に植毛をして柄を作ることも可能です。ベルベットでは表現が難しかった複雑な柄を表現することも、フロッキー加工により可能になりました。
また普通のプリントや織りなどで柄を出すよりも立体感が出ることもポイント。見て楽しめる、触っても楽しめる生地に仕上げられます。
植毛した部分はベルベットのような上品な手触りなので、フォーマルアイテムやエレガントなデザインに用いられていましたが、どんな柄も自在に作れるため、カジュアルなアイテムにも活用しやすいです。
機能面としては、毛羽を植えることで保温効果・断熱効果・遮光効果など、さまざな効果を与えることも可能です。
注意したいのは、植毛しているだけなので摩擦や洗濯によって毛羽が抜け落ちやすい点。
またフロッキー加工をした部分は静電気を通しやすいので、乾燥しやすい秋冬には静電気防止スプレーをかけておくと良いでしょう。
フロッキー加工のメリット
- 毛が生えたような見た目になる
- ふわふわした手触りになる
- 部分的に植毛して複雑な柄も作れる
- 生地に立体感を出せる
- エレガント、フォーマルからカジュアルまで幅広く活用可能
- 保温効果・断熱効果・遮光効果なども期待できる
フロッキー加工のデメリット
- 摩擦や洗濯によって毛羽が抜け落ちやすい
- 加工をした部分は静電気を通しやすい
その他
- フロッキー加工には、「フロック加工」「電着加工」「植毛加工」「電気植毛」「静電植毛」などさまざまな呼ばれ方がありますが、どれも同じ加工方法です。
- 部分的に植毛して柄を作ったものを「フロックプリント」「電着捺染」とも呼びます。